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  • 「亀田京之介は私や世間に対して無礼だった」“悪童”ネリが7回TKOで井上尚弥戦以来の再起飾るも練習不足を露呈…大善戦の亀田は「奴は強かった。今の実力がわかった」と謙虚に反省
亀田京之介は人生初のダウンを経験してネリに7回TKO負け(写真・TMKジム提供)
亀田京之介は人生初のダウンを経験してネリに7回TKO負け(写真・TMKジム提供)

「亀田京之介は私や世間に対して無礼だった」“悪童”ネリが7回TKOで井上尚弥戦以来の再起飾るも練習不足を露呈…大善戦の亀田は「奴は強かった。今の実力がわかった」と謙虚に反省

 第2ラウンドでは亀田は顎を触って「打って来い!」とのジェスチャーまでやった。サウスポーのネリは、L字ガードで右腕を下げてプレッシャーをかけた。ワンツーから、体ごとぶつけてロープへ押し込み、山のようなパンチを浴びせた。だが、このラウンドの終わりに、何度か、足踏みするポーズを見せた。前日計量の1回目でまさかの900グラムオーバー。1時間後の再計量で約2キロほど一気に落としてクリアしたが、体調が万全ではなく足が動いていなかったのだろう。
「いつもと違うことをしたかった。もう少し慎重にやりたかった。右手を下ろし、スタイルを変えたということを見てもらいたかったんだ」とは試合後のネリ。
 主導権を握ったネリは、第3ラウンドには、ガードを固めるスタイルに戻してジャブ、ワンツーを打ち込み、距離がつまると、ショートアッパーの連打を繰り出すが、亀田もそこにカウンターの右を返す。ネリはダメージを負い、明らかに下がった。第4ラウンドにも続けてネリが、ロープを背負わせて猛ラッシュをかけるが打ち疲れが見え始めた。下がるしかできないものの、なんとか逆襲の一打を狙う亀田の目も死んでいなかった。
 第5ラウンドの終了間際には、ネリの左ストレートがまともにヒットし、亀田の動きが止まった。右フックで追い打ちをかけて亀田がバランスを崩すと、ネリは一気にフィニッシュにもっていこうとするが、バてたのか、パンチに勢いがない。
 6ラウンドの開始と同時にバッティングで右目上をカットしていた亀田の傷をドクターがチェック。試合は再開したが、ネリにまた頭をぶつけられて、今度は左目上をカットし、レフェリーにバッティングをアピールした。
 両目上からの流血が激しく敗戦は時間の問題だった。
 前出の地元紙「El Sol de México」によると、試合後、ネリは「彼は自信過剰でおしゃべりだった。私に対してだけでなく世間に対しても無礼だった。私の故郷であるティフアナに敬意を示さねばならなかった」とコメントした。
 両者は2月10日に現地で行われたフェイスオフの会見で乱闘騒ぎを起こした。亀田に額をつけて挑発され、いきなり左右のフックを放つ暴挙を演じた。記者会見では「こいつ」呼ばわりされ、「井上との試合を見るまで知らなかった」とまで言われ、1ラウンドKOを宣言された。“悪童”のネリを上回る亀田の悪態の数々にずっと腹を立てていたのだ。
 だが、試合後には、自らが求めて亀田と握手。
「私はリング上で誰かを恨んだり、不快感を抱いたりするようなファイターじゃない。試合が終われば、そのファイターに対しての悪意はない。彼が無事に家に帰り、何の問題もないことを願っている」
 多くのパンチを浴びて初のKO負けを喫した日本人ファイターを気遣った。

 

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