
「井上尚弥でさえ中谷潤人を倒せない?」ダウン経験無しの無敗メキシカンを3回に葬った“ビッグバン”を米メディアが絶賛…「強すぎて」“レジェンド”エストラーダにも対戦を断られていた
ただ問題は井上戦までのマッチメイクだ。
この「誰も中谷を倒せない」という問題は、中谷のマッチメイクに深刻な悩みを与えている。実は、今回は、WBC同級1位の“レジェンド”エストラーダにも対戦オファーをかけたが、即座に断られた。エストラーダは、フライ級、スーパーフライ級で統一王者となっている元2階級制覇王者で、4階級制覇王者のローマン・ゴンサレス(ニカラグア)と3度の名勝負を繰り広げたメキシコのスター。昨年ジェシー“バム”ロドリゲス(米国)と対戦して7回KO負けを喫して、WBC世界スーパーフライ級王座から転落したが、バンタム級に階級を上げて、いきなりWBCの1位にランキングされた。
その中で勇気ある名乗りをあげたのがIBF王者の西田である。昨年12月のV1戦後にも中谷との統一戦を熱望していたが、今回は、ついに中谷の試合後のリングに登場。中谷が、「前の試合のインタビューでは『Who’s next?』と言ったけど、今回は西田選手。やりましょう」と呼びかけ。西田も「自分はずっと中谷選手とやりたいと思っていたんで是非お願いします」と返して、互いに右の拳でグータッチした。前出のトップランク社のモレッティ副社長も「西田との統一戦を6月にしたい」とリング誌に明かしているが、実は問題がある。指名試合に厳格であることで知られるIBFが次戦で同級3位のホセ・サラス・レイエス(メキシコ)との指名試合を指令しているのだ。
レイエスは井上のスパーリングパートナーとして来日経験がある難敵。IBFが統一戦を優先することを認めてくれれば、6月に予定されている「PRIME VIDEO BOXING 12」で、中谷が待望の統一戦が実現するが、見通しは不透明。その場合、中谷の6月のV4戦の相手探しにまた苦慮することになる。
「強すぎる」“ビッグバン”は一体どこかでのぼり詰めるのか。