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堤と比嘉のWBA世界バンタム級タイトルマッチはドロー(写真・山口裕朗)
堤と比嘉のWBA世界バンタム級タイトルマッチはドロー(写真・山口裕朗)

日本ボクシング史に残る堤聖也vs比嘉大吾のWBA世界戦の死闘の裏側②…“沖縄の倒し屋”と“名参謀”のコンビは本当に引退してしまうのか…王者は次戦で井上拓真との再戦が最有力

 世界を奪取した際には、故・穴口一輝氏に捧げるため、ベルトを腰に巻かなかった堤はV1を達成して、初めてそれを腰に巻き、未来の話をした。
「今日の試合内容で統一だのどうの言ってると『まだそんな器じゃない』と言われる。もっと自分を磨いていきたい。口に出しても文句を言われないくらい、強くなりたい」
 防衛に成功した堤には、2つの可能性がある。ひとつは暫定王者、アントニオ・バルガス(米国)との統一戦。もうひとつは前王者、井上拓真とのリベンジ戦だ。まだ王者のオプション(興行権)をもう1試合分、大橋ジムが持っているため、WBAが認めてくれるのであれば、バルガスに“待ち料”を支払って拓真との再戦をマッチメイクする可能性が高い。いずれにしろ堤は、カットした右目上の治癒に時間が必要で 6月に予定されている「プライムビデオボクシング12」での防衛戦は難しい。 
 大橋陣営は9月に国内の大きな会場でスーパーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥と、WBA世界同級暫定王者で、モンスターへの挑発を続けているムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)とのビッグマッチを予定しており、そこに堤vs拓真の再戦が組み込まれる可能性がある。一方の比嘉はどうするのか。
 試合後の会見では比嘉の進退についての質問が重なった。
「3か月間、休んで引退するって言ってこの試合が決まって3か月は結構きつかった。簡単にやるとは言えない。まだ試合を見てないのでなんとも言えないけど、あとから悔しいと思うんですかね。でも、もういいかな。辞める、辞める詐欺になっちゃうんで(笑)。もうこれ以上、頭も打たれたくない」
 そして絞り出すように「今は休みたい」と言った。
 引退とも現役続行とも受け取れるアンサーだった。
 有明アリーナに駆けつけた多くの沖縄のファンからは「辞めるな!」の声が飛び「聞こえていなかった」という比嘉も「沖縄のファンは熱い」とまんざらでもない様子だった。

 

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