
「また井上尚弥から逃げた。考えられないよ」“モンスター”が5月3日に米国ラスベガスで対戦予定だった無敗のピカソが“敵前逃亡”で挑戦辞退…大橋会長はあきれて激怒…代役は別のメキシカンか
会場を抑えている5月3日が「シンコ・デ・マヨ」ウィークであるため次の候補も同じくメキシカンから探しているという。
4団体の上位にいるメキシカン、あるいはメキシコ系米国人は、WBA2位のラモン・カルデナス、WBC5位のホセ・イスラエル・ラミレス、同10位のブライアン・メルカド、WBA9位のブライアン・アコスタ・ガルシア、リング誌10位のセバスチャン・エルナンデスくらいしか見当たらない。
最上位のカルデナスは、メキシコ系米国人だが、2月8日に米国で行われたノンタイトル戦で同級9位のブライアン・アコスタ(メキシコ)に3―0で判定勝ちを収め「ベストの相手と戦いたい。井上は最高の選手なので彼と戦いたい。今年、彼が望むなら、私はいつでも準備ができている」と、挑戦状を叩きつけていた。
「強すぎて相手がいない問題」は、ずっと井上を悩ませてきたが、バンタム級時代は、WBSSがあったため、トーナメントを勝ち抜いてきたボクサーと「ヒリヒリする」戦いができた。
スーパーバンタム級に上げてからは、WBC&WBO王者のスティーブン・フルトン(米国)、WBA&IBF王者のマーロン・タパレス(フィリピン)と続けて統一王者に挑戦ができた。しかし、防衛ロードに入ってからは。WBO&IBF1位のサム・グッドマン(豪州)が2度にわたる目の上のカットで試合を延期、中止になるなど、再び対戦相手に悩まされはじめた。
ただこの5月の米国での試合さえクリアすれば、そこから先は、魅力的で対戦相手もモンスターを倒すことに意欲的なマッチメークが待っている。
9月には日本の大きな会場で、挑発をし続けているWBA世界同級暫定王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)との統一戦。12月には昨年3年30億円の大型契約を結んだ「リヤドシーズン」を主宰するサウジアラビアで、階級をひとつ上げてWBA世界フェザー級王者のニック・ボール(英国)へ挑戦する。そして来年5月には、再度階級をスーパーバンタム級に戻して“ビッグバン”中谷との究極の日本人対決が計画されている。だが、相手が誰であろうが、どこであろうが「自分がやることは変わらない」というのが、井上の信念。対戦候補が二転三転したうっぷんを米国ファンの前で爆発させるだけだろう。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)