
「罪の意識はあるのか?球界の危機だ。再発防止の啓発のためにも氏名は公表すべきで厳罰を科せ!」球界大御所がNPBと各球団が“だんまり”を決めるオンラインカジノ問題に緊急提言
海外で合法的に運営されているオンラインカジノは摘発が難しく、国内からの利用は違法だったにもかかわらず、これまでは「グレー」扱いとなっていた。
有名サッカー選手などがCMに出演して“広告塔”となり、プロボクシングの世界戦の大会スポンサーとなり、取材用のスポンサーボードやリングに大々的にその海外サイトの名前が広告された。これらが違法性の認識が薄れることへ拍車をかけた。
国内の利用者は350万人を超えているといわれ、昨年あたりから、社会問題化し、一部のオンラインカジノでは反社会勢力へ資金が流れているともみられる。警察庁は換金する国内の決済代行業者の線から糸口をつかみ、過去の利用歴などを洗い出して大規模な摘発、捜査に乗り出しているが、広岡氏の指摘の通り、ここまで球団や選手会も、講習会などで野球賭博や八百長への関与の禁止を強く啓蒙していたが、オンラインカジノの違法性は、いつからどう話をしていたのか。
広岡氏は、こう続ける。
「だからこそ今後は徹底してなくすという意思を選手に示すために14人の氏名を公表すべきだろう。“あの選手が…”ということがわかれば、それは間違いなく選手の“絶対にやってはいけない”という再発の抑止力になるし、社会にもオンラインカジノの違法性を強く訴えることにつながる。また啓発のためには、氏名の公表と共に重たい処分を科す必要性もあると思う」
広岡氏は氏名や処分を隠蔽せず公表すべきだと主張した。
広岡氏の提言は、さらに熱を帯びた。
「コミッショナー、各球団のオーナーたちは、今、日本球界が危機にあることをわかっているのだろうか。テレビなどの報道は、ドジャースの大谷や佐々木らメジャーリーグの話題しか取り上げず、日本のスター選手がメジャー志向になりつつある。オンラインカジノ問題も氏名を公表しないことで、闇から闇へと葬ろうと考えているのなら、ますますファン離れが起きる。今回の問題の最終的な責任は、コミッショナーと各球団のフロントにあることを理解すべきだ」
広岡氏はキャンプや遠征でも選手は1人部屋で、スマホを手放せない生活形態の中で、オンラインカジノなどに簡単に手を出せる環境にあることを考えると「コミッショナーがリーダーシップを取り、良い悪いを野球選手に徹底して再教育する必要がある」と訴える。
広岡氏は、永久追放の選手が複数出て、ファンの信頼を裏切り、プロ野球の存続が危ぶまれた1969年―1970年の「黒い霧事件」を現役時代に体験している。
「あの事件以来、球界は全力を傾けて再発防止を徹底した。だが、その後も問題は起きたじゃないか」
2015年には巨人の所属選手の野球賭博問題が起き、NPBが3人を無期失格、1人を1年の失格処分として巨人は4人を契約解除した。
7球団14人は氷山の一角か、それともさらに拡大するのか。
NPBは、「なお本日以降も、日本プロ野球選手会とも協議しながら、当面の間、自主申告を受け付けることといたします」とリリースしている。
(文責・駒沢悟/スポーツライター)