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湘南ベルマーレの19歳のFW石井久継が同点ゴールをマーク(写真:千葉 格/アフロ)
湘南ベルマーレの19歳のFW石井久継が同点ゴールをマーク(写真:千葉 格/アフロ)

「負けない」J1に“春の旋風”を巻き起こしている湘南ベルマーレが暫定首位キープ…窮地を救ったのは19歳の“ミラモン”石井久継

 J1リーグ第4節の4試合が1日に行われ、唯一の開幕3連勝中だった湘南ベルマーレが1-1で横浜F・マリノスと引き分けた。敵地・日産スタジアムで“神奈川ダービー”に臨んだ湘南は、初めてリードされる展開で迎えた後半10分に、途中出場していたU-20日本代表FW石井久継(19)が同点ゴールをマーク。4連勝こそ逃したものの、かつてフジテレビ系の「ミライ☆モンスター」に登場したホープが決めた、プロ2点目となる今シーズン初ゴールで無敗と暫定首位をキープした。

 「もっともっとギラギラしていきたい」

 絶好調の湘南に救世主が舞い降りた。
 前半38分にセットプレーからマリノスに先制され、今シーズン4試合目にして初めてリードを許したまま迎えた後半10分。日本の未来を担う逸材としてテレビに出演した経験をもつ石井が、1-1に追いつく殊勲の同点ゴールを決めた。
 右サイドを攻めあがってきたDF鈴木唯斗(31)が前線へ供給した、グラウンダーのパスの処理をDFジェイソン・キニョーネス(27)が誤る。次の瞬間、ゴール前へこぼれたボールに素早く反応した、MF平岡大陽(22)が体を捻りながらシュート。懸命に反応したマリノスの守護神・朴一圭(35)が、右手一本でセーブした直後だった。
 ボールがこぼれた左サイドにいたのは後半開始とともに投入され、今シーズン初出場を果たしていた石井。慌てて間合いを詰めてきたDF松原健(32)も間に合わない。利き足とは逆の左足で押し込まれた一撃が、無人のゴールに突き刺さった。
 昨年7月の浦和レッズ戦以来となるプロ2点目を決めた石井が、ハーフタイムに山口智監督(46)から授けられた指示を思い出しながら声を弾ませた。
「(山口)智さんから『より前に、前にアクションし続けろ』という指示があったので、シュートを打つときに体が自然に前へ出ていった。(平岡)大陽くんがうまく抜け出して、ボールがこぼれるようなコースへシュートを打ったので、大陽くんやほかの選手たちに感謝したい。本当にいいところにボールがこぼれてきたので」
 U-20日本代表に名を連ねる19歳は、先月に中国・深圳で開催されたAFC・U-20アジアカップに出場。全5試合でピッチに立ち、日本のベスト4進出と今秋にチリで開催されるFIFA・U-20W杯出場権獲得に貢献して2月27日に帰国した。
 湘南を留守にしていた間に、クラブ新記録となる開幕3連勝で単独首位に立つ湘南に合流。マリノス戦へ向けた前日練習だけで出場に間に合わせた。疲れていない、といえば嘘になる。それでも、石井には自信を膨らませて帰国していた。
「代表とチームを行き来するような状況では、特にメンタルが大事になってくる。帰ってきたばかりといっても、去年、一昨年と智さんやチームメイトたちとは長く一緒にやってきているので不安はなかった。自信をもって試合に臨めたし、強い気持ちがあればボールが転がってくるとあらためて思いました」
 湘南のU-15に所属していた石井の存在が一躍、注目されたのは2019年4月。フジテレビ系の「ミライ☆モンスター」に出演したときだった。
 岡山県倉敷市で生まれ育った石井は、小学生時代は隣接する広島県の福山ローザスセレソンに所属。2017年のダノンネーションズカップ日本予選、U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジで立て続けに得点王を獲得した神童として注目を集めた。

 

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