
巨人“サンデーマー君”構想を阿部監督が考案した裏に中日からマルティネス“強奪”の豪華ブルペンあり…成功するのか?
自由契約で楽天から巨人に移籍した田中将大(36)が2日、東京ドームで行われたオープン戦のヤクルト戦に先発し2回で22球を投げて2安打無失点に抑えた。まだストレートの最速は145キロしか出ていなかったが、さすがの投球術を披露。阿部慎之助監督(45)は、マー君をローテーションの計算に入れ、“サンデーマー君”の起用プランを抱いている。その狙いと成功の可能性を探ってみた。
ストレートでヤクルト4番の村上を退治
マー君が本拠地東京ドームのマウンドに立った。3万7000人を超えるファンで埋まったスタンドからは大きな拍手が起きた。相手は開幕カードのヤクルト。“本番”のシミュレーションとしても絶好の舞台だった。
先頭の赤羽にスプリットをセンター前へゴロでもっていかれたが、続く長岡を144キロのストレートで押し込んだ。サードフライ。捕球したのは、小学生時代にバッテリーを組んでいた坂本である。
3番のサンタナには内角低めの144キロのストレート。少しカット気味に動いた。芯をわずかに外してセンターフライに打ち取ると、盗塁を許して、得点圏に走者を背負った場面で、4番の村上にも、変化球で空振りを誘い、カウントを整えてから、外角高めのストレートで勝負してレフトフライである。
スポーツ各紙の報道によると田中は、「真っ直ぐに関しては押し込めた。悪くなかった」との手ごたえを感じていた様子。
続く2回も、オスナをカットボールでセンターフライ。浜田にはスプリットの抜け球をレフト線へ引っ張られて二塁打にされたが、内山をツーシームで三塁ゴロに打ち取り、さらに松本も、ショートゴロに抑え、予定の2イニングを無失点に切り抜けてみせた。
久保巡回投手コーチの指導で取り組んでいる、腕の縦振りへの“魔改造”は、まだ完成途中。そこを意識しているせいなのか腕は振れていなかった。まだベストではないのか、それともこの程度なのかはわからない。
しかし、現役時代に阪神、ダイエー、ヤクルトで先発、抑えで活躍した評論家の池田親興氏は、「もう全盛期の力投型ではない。今のマー君に150キロを求める必要はないでしょう。ストレートも145キロあれば、配球とコントロールの投球術で十分に通用する」と見ている。
「確かに腕は振れていない。まだ物足りなさはある。だが、長岡、村上は明らかにストレートに押し込まれていた。バッターがどう感じたかが重要で、おそらくマー君も、そこを求めているんだと思う。甲斐とのコンビで、また違ったマー君の一面が引き出されると思う。甲斐は投手に寄り添うことのできる捕手。松本には、さすがの配球と、甲斐のその姿勢を示すシーンがあった」