
巨人“サンデーマー君”構想を阿部監督が考案した裏に中日からマルティネス“強奪”の豪華ブルペンあり…成功するのか?
2回二死二塁で、松本に対して、田中はカウント2-2から内角へこの日最速となる145キロのストレートを投じた。ボールになったが、甲斐はミットを叩いて「それでいい」とばかりに田中を鼓舞していた。フルカウントとなってからの外角へのスライダーがウイニングショット。教科書通りの配球で、松本をショートゴロに仕留めている。池田氏は「侍ジャパンでも旧知の甲斐とのコミュニケーションや楽天時代との環境の変化がプラスに出ると思う」と評価している。
阿部監督は、2月24日のロッテ戦での1回無失点に続き、連続無失点を続けたマー君をローテーションの6番目として計算していることと、日曜日に登板させた背番号11をシーズンでも“サンデーマー君”として起用する構想があることを明かしている。
池田氏は、その狙いをこう分析した。
「日曜日の先発ならば翌日にゲームがないので連投を気にせず中継ぎ陣を投入できる。しかも、今季の巨人はライデル・マルティネスが加わったことでブルペンが厚くなった。打者ふた周りで5回、100球を投げきってくれれば十分だと阿部監督は考えているのではないか。6回から継投に入っても、逃げ切れるだけの陣容がある。ふた周りなら球威がなくとも投球術でカバーできるし、マー君にはゲームを作る力がある。阿部監督は、マー君の力量を最大限に引き出す方法をそこに見出したのかもしれない。勝ち星が重なっていけば、チームにプラスの相乗効果を生みだす可能性がある。まずは200勝だとは本人も考えていないだろうが、“サンデーマー君”の構想でいえば、すぐにその大記録を達成するのでは」
今季の巨人は、中日の絶対守護神だったマルティネスの加入で、9回マルティネス、8回大勢の盤石の布陣を組める。さらに7回、6回には、バルドナード、ケラー、船迫、高梨らがスタンバイしている。田中が5回を投げられれば勝利投手となれる豪華なブルペンが整っているのだ。
田中は日米通算200勝まであと3勝に迫っている。そういう大記録の達成は、チームに一体感という名の勢いをもたらす。池田氏は、阿部監督の“サンデーマー君”構想は、現状の田中の実力と良さを最大限に生かす良手だと評価した。
そのプランに狂いがなければ、田中の巨人での公式戦デビューは、3月30日の東京ドームでの開幕第3戦となるヤクルト戦ということになる。