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全勝だったガーボンタ・デービス(左)が疑惑のダウンもあってラモント・ローチにキャリア初のドロー(写真・AP/アフロ)
全勝だったガーボンタ・デービス(左)が疑惑のダウンもあってラモント・ローチにキャリア初のドロー(写真・AP/アフロ)

「ラウンドガールのボードが見えないほど目が痛かった」言い訳三昧の“疑惑のダウン”がなければ“最凶暴”デービスはドローではなく負けていた…次戦は再戦ではなくあのユーチューバーを指名?!

 プロボクシングの無敗のWBA世界ライト級王者、ガーボンダ“タンク”デービス(30、米国)にWBA世界スーパーフェザー級王者、ラモント・ローチ(29、米国)が挑む異例のタイトル戦が2日(日本時間3日)、米国ニューヨークのバークレイズセンターで行われ、まさかのドローに終わりデービスの31連勝はならなかった。9ラウンドに疑惑のダウンシーンがあり、ローチは「オレが勝っていた」と抗議。元世界王者たちは「タンクが負けていた」と声をあげた。デービスはリング上で再戦を呼び掛けたが、会見では「次はない」と語り、ユーチューバーであるジェイク・ポール(28、米国)との対戦の可能性を示唆した。

 9ラウンドに自ら膝をつきダウンもレフェリーは認定せず

 1万9000人を超えるファンで埋まったブルックリンのバークレイズセンターが騒然となった。9ラウンドだ。ローチの左のジャブを浴びたデービスが、右目をしかめ、突然、自ら右膝を着いたのだ。レフェリーのスティーブ・ウィルスは、最初はそれをダウンと認めてカウントを始めたが、デービスはコーナーに戻り、セコンドへ何やら、わめき、タオルで髪の毛と顔を拭かせた。
 レフェリーはカウントをやめてダウンを取り消した。
 ローチは「なんでやめたんだ?カウントを続けてくださいよ」と猛抗議したが、レフェリーは聞き入れず、デービスの言い訳の方に理解を示した。
 米メディアが、「奇妙なシーン」と評した行動の理由を、試合後にデービスがリング上で、こう明かしている。
「2日前に髪を整えたばかりで、そのとき彼女が私の髪にグリースを入れたんだ。汗をかくと、それが流れてきて目が焼かれたように痛かったんだ」
 コーンローンに編み込んだ髪の毛に塗り込んだグリースが汗で溶けだして目に入ったためタイムのつもりで膝をついたというのである。
 これには納得のいかないファンから大ブーイングが飛び交い、「なんでブーイングをするんだ」と、デービスは観客に抗議にした。
 だが、この疑惑のダウンがその後の判定に物議を醸すことになる。
 本来スロースターターであるデービスは、そのパンチ力を恐れることなく、正面に立って逆にプレスをかけてきたローチの勇気に戸惑いを見せていた。ペースをつかむことができず7ラウンドには右ストレートを浴びて足元がぐらつく始末だった。
 疑惑のダウン後に勝負をかけたが仕留めきれない。
 10ラウンドには手数が減り、11ラウンドには猛攻を仕掛けたが「きいていない」とローチに逆にポンポンとグローブを合わせて挑発された。
 英ガーディアン紙によると、デービス陣営のバリー・ハンタートレーナーは、衝撃の事実を明かしてる。
「(デービス)は12ラウンドを8ラウンドだと勘違いしていたんだ。彼はまだポイントを取り課す時間があると思っていたが、すでに時間は残っていなかったんだ」
 デービスがラウンドを間違った理由は、グリースが目に入って痛かった影響で、ラウンドガールの持つラウンドカードがぼやけてよく見えず、12ラウンドをまだ8ラウンドと勘違いしていたという。
「ここで仕留めろ!」
 ハンタートレーナーにそう言って送り出されたデービスは、両手で観客を煽った。ノーガードで倒しにいくがローチは左右のフックで応戦。30戦全勝28KOの男が、KO決着できずに最終ラウンドのゴングを聞くはめになったのである。
 判定は115-113でデービスを支持したジャッジが1人いたが、残り2人が114-114で1-0のドロー。デービスは、31連勝を果たせなかったことが、よほどショックだったのか、コーナーを両手で持ち、ずっと下を向いたままだった。

 

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