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ロッタン戦を前に武尊が吉田沙保里さんから激励を受ける
ロッタン戦を前に武尊が吉田沙保里さんから激励を受ける

武尊は“霊長類最強女子”から何を学んだのか…3.23「ONE172」ロッタン戦に向けて「壊れてもいい。次が最後の試合のつもりで」との壮絶覚悟を明かす

 格闘技イベント「ONE172」(3月23日・さいたまスーパーアリーナ)で元ONEフライ級ムエタイ王者で同級1位のロッタン・ジットムアンノン(27、タイ)と対戦する同級2位の武尊(33、teamVASILEUS)が4日、都内の自らが経営するジムで公開練習を行った。女子レスリングで五輪3連覇を果たした吉田沙保里さん(42)から「最後は気持ち」の激励のメッセージをもらった武尊は、メンタルコントロール術を学んだことを明かし「壊れてもいい。次が最後の試合のつもりで」との壮絶な決意を語った。

 「最後は気持ち」のメッセージ

「ギャー!」
 武尊がビルを一棟買いしたことで話題となった世田谷区用賀にあるジム内に、あの霊長類最強女子の悲鳴が響いた。
 19日後に迫った悲願のロッタン戦を前に2年前のテレビの番組で知り合って以来、親交があり「武ちゃん」「沙保里さん」と呼び合う仲の吉田さんが激励に訪れ、マスコミの絵作り用にミットを持った。
 武尊は「2、3割くらい」でごく軽くワンツーを放ったが、そのあまりにも強い衝撃に五輪3連覇で国民栄誉賞も授与された吉田さんが「怖いんだけど…圧が凄すぎる」と、悲鳴をあげたのである。
「ミットがあるからまだいい。直なら死んでます」
 そう吉田さんが感想を語ったが、武尊は「ギャーって言うわりには体幹が凄いんですけど」と、五輪、世界選手権など、主要大会で「13大会連続世界一」の偉業を成し遂げたレスラーをリスペクト。
「パンチをかわされてタックルに入られてますね」と、実際に異種格闘技対決をした場合のイメージを語ると、吉田さんは、「下に行ったときに(蹴りで)やられちゃうから。こう来たら、こう来るなと」と、レスラーの顔に戻り、メディアの笑いを誘った。
「武ちゃんの持っているものを全部出して悔いのないように戦って欲しい」
 激励のメッセージも送った。
 武尊がグローブなどを入れている私用の黒いバッグに白いマジックで「最後は気持ち」と書き込んだ。それを見た武尊は「めちゃいい言葉」「僕にぴったりの言葉をありがとうございます」と表情を和らげた。
「私もずっと準備をして、それを自信に変えて戦いに行っていましたが、最後にマットに上がるときには、強い気持ちを持っていないと。『大丈夫かな』とか、ちょっとマイナスな不安な気持ち、ネガティブになると負けてしまう。『ここに何にしにきたんだ』ということを考えて『私は金メダルを取りにきた』『何連覇をしにきた』と、最後は強い気持ちでマットに上がってきた。最後は、ここまできたんだから、後は持っているものを出し切ろうという気持ちでやってきた。それを武ちゃんに送らせてもらいました」
 吉田さんがその言葉に込めた真意を明かした。
 実は、交友のなかで武尊も霊長類最強女子から学んだものがあるという。
「霊長類最強、同じアスリートとして、試合前のことを聞いたりしてきメンタルコントロールが上手いなと思っています。会っていると、常に明るい。気持ちにぶれがない。僕は気持ちにぶれが出るタイプ。見習うところです」
 最強のメンタルをどう作るかのヒントをもらったのだ。
 そして「吉田さんは霊長類最強ですが、僕はまず世界最強の男になれるように頑張り、追いつけるようにしたい」と誓いを立てた。

 

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