
誰が悪い?クラブ謝罪も「ミスが起きた経緯を知りたい」の声…なぜサンフレッチェ広島のACL2没収試合問題が起きたのか…賞金の半分約1200万円もパー!
母国の仏リーグアンのモナコやニース、オリンピック・マルセイユなどでもプレーしたジェルマンは、実は別件でも出場停止処分を受けていた。
結果的にマッカーサーでの最後の試合となった、2月9日のウェスタン・ユナイテッドとのオーストラリア・Aリーグ第18節。判定に不満を抱いたジェルマンは、審判団を侮辱する卑猥なジェスチャーを介して抗議を展開。さらに数日後には自身のインスタグラムへ、最後に猿の絵文字を添える形でこんな言葉を投稿していた。
「What a shame the referees(残念な審判)」
一連の行為を問題視したオーストラリアサッカー連盟(FFA)は、ジェルマンに2試合の出場停止処分を科した。ジェルマンは公聴会で意見を述べる予定だったが、マッカーサー側が処分を受け入れ、さらにジェルマン側との協議の末に契約を解除。フリートランスファーとなったストライカーのもとへ、広島からのオファーが届いた。
Aリーグで消化されなかったジェルマンへの出場停止処分は、新天地のJリーグへ引き継がれる。Jリーグは1日に公式HP上で、ジェルマンが広島に登録された後も2試合にわたって出場停止になるとこう説明していた。
「当該残存の2試合の出場停止処分については、FIFA規則に基づき、移籍先の国において消化する。なお、国内競技会での消化となるため、直近のAFCチャンピオンズリーグ2 2024/25準々決勝は出場可能」(原文ママ)
Jリーグ側も混乱していたのか、約1年前に科されたAFCカップにおけるジェルマンの出場停止処分を、把握していなかった跡が伝わってくる。その場でカードが出されず、さらに大会がAFCカップからACL2に変わった点も関係していた可能性もある。ただ、Jリーグのリリースは没収試合を含めた懲罰を覆す材料にはならない。
LCSとの第1戦に臨むベンチ入りメンバー23人が提出された際に、AFC側がジェルマンの件を指摘するべきだとする批判も的を射ていない。公平性を保つうえで運営側が一方のクラブを利するような行動は取れないし、何よりも最終的にはクラブ側が責任をもって選手の出場資格を確認しなければいけないとAFCは定めている。
一部報道によれば、広島側は確認を進めるうえで、AFCには直接コンタクトを取らなかったという。今回の一件を注目していたアメリカのスポーツ専門放送局『ESPN』も、広島側に落ち度があったと次のように報じた。
「サンフレッチェ広島がこのような見落としをしたのは、日本のクラブが通常、アジアでもっとも組織化されている状況を考えると非常に奇妙に映る」