
激怒した横浜DeNAバウアー“ボーク判定”の何がどう問題だったのか…日米のルールの違いを理解していなかった?
SNSでも日米のルールの違いを是正すべきだという意見もあったが、池田氏は、「近年、投手のプレートの使い方が変わってきていることは確かだ。しかし、ここまでメジャーリーグから来た投手に関しても、こういった問題は一度も出てこなかった。何から何までメジャーに追随する必要があるのか」と否定的だった。
スポーツ各紙の報道によると、バウアーは「まだ自分の中では理解できていない」「なぜボークの指摘を受けたかについては、まだしっくりきていない」と、ボークの判定に納得しかねる様子だったそうだが、池田氏は、今回のボーク騒動が、古巣に復帰したバウアーにとってプラスになったと評価した。
「もしオープン戦で、今回のような出来事がなければ、シーズン中にルールの違いを理解しないまま申告ワインドアップをして痛い失点につながっていたかもしれない。そういう意味でこの時期に学んだことは大きかった。身についたクセで咄嗟的に同じような動きをする可能性がなきにしもあらずだが…」
2年前にバウアーは、公式戦に19試合に先発しているが、今回のようなケースに遭遇することはなかった。
そして池田氏はボーク問題で、激怒後に大崩れし“炎上”しなかった点にも注目した。
「メンタルをうまくコントロールができない点が2年前には気になったが、今回は、ボーク後も落ち着き、気持ちを切り替えていた。メキシコリーグで1年間投げてことや、より経験を積んだことで精神的な成長が見られた」
バウアーは、結局、西野にセンター前ヒットを許し、続く中川圭太に四球を与えるなど、崩れかけたが、森友哉を空振りの三振に打ちとり、3回も3番の西川龍馬から始まる好打順を無失点に抑えた。
そして池田氏はもうひとつバウアーに変化が見られたという。
「ナックルカーブを随所にうまく使うだけでなく、クイックや、ステップする足を一度止めてみたり、フォームでも緩急をつけていた。ストレートに球威があり、しかも、球種とフォームでも、七色の変化をつけられれば、なかなか攻略は難しい。より円熟味が増したなと感じた」
2回に森を三振に斬って取ったのは、ナックルカーブをクイックで投じたもの。3回に西川をセンターフライに打ち取った際には、ステップする足を一度、途中で止めるという幻惑投法で、完全にタイミングを狂わせていた。
「ストレートは最速152キロが出ていたし押し込んでいた。もう仕上がっているなという印象を受けた。2年前は合流が遅れて5月スタートとなったが、それでも10勝をマークした。今回は開幕からベストコンディションに臨めることは間違いない。中4日で回すのでは?という情報も飛び交っているが、かなりの勝ち星を積み重ねそう」
バウアーは入団会見で「フル回転で沢村賞を狙う」と公約している。