
SNS騒然!なぜ那須川天心はWBCランキング1位に急浮上したのか…世界王者の中谷潤人との指名試合は実現するのか?
一方の中谷も天心の挑戦を受けることはウエルカムだろうが、ターゲットにしているのはIBF王者、西田との統一戦。西田もまた中谷がV3に成功した後のリングに上がり、対戦を約束した。ただ西田にはIBFが同級3位のホセ・サラス・レイジェス(メキシコ)との指名試合を指令している。IBFが統一戦優先の決断を下せば、6月の「プライムビデオボクシング12」で、中谷vs西田の統一戦が実現することになるが、勝者は次戦でIBFの指名試合を義務づけられることになる。そして中谷には来年“モンスター”井上との究極のドリームマッチが計画されている。中谷には井上戦に備えて他団体王者との統一戦が無理であればスーパーバンタム級で試運転をしたいとの思惑もあり、たとえ西田との統一戦が実現してそこで勝ったとしても、すんなりと天心との指名試合を受けられる状況にはない。
また天心の世界戦をプロデュースしている帝拳サイドも、「どの王者と戦っても勝負はできる」という成長の手応えは得ているものの、プロ6戦の天心をいきなり、中谷にぶつけて大勝負を挑むタイミングではないと考えている。
天心自身は、「4人のチャンピオンのうち誰でもいい」と、たとえ相手が中谷であっても逃げるつもりはないが、「プライムビデオボクシング」の2大看板をここで潰し合うことは、バックアップしているAmazonプライムの本意ではないだろう。いずれ中谷が井上戦に備えてWBC王座を返上すれば、1位の天心に王座決定戦出場のチャンスも巡ってくる。井上に続くスターを育成したい日本ボクシング界の総意としても、中谷vs天心の実現時期は、今ではない。
ただ将来的には見てみたいし、実現可能なドリームカード。専門家やメディアはもちろんSNSやネットの空気が「どっちが勝つかわからない」と、変わるくらいに天心が成長したところで2人が拳を交えることになればベストのタイミング。
天心は6月にノンタイトル戦を行う予定となっている。