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J3鹿児島ユナイテッドで経営トップが書類送検される異常事態が発生した
J3鹿児島ユナイテッドで経営トップが書類送検される異常事態が発生した

「めちゃくちゃ」「杜撰なクラブ運営が残念」なぜJ3鹿児島ユナイテッドの経営トップが書類送検される異常事態が起きたのか?

 公認会計士の資格をもつ徳重代表は、生まれ育った鹿児島県に悲願のプロクラブを誕生させようと、勤務していた都内の大手監査法人を2008年夏に退所。既存のクラブを母体とするFC KAGOSHIMAを立ち上げ、県1部リーグに参戦した。
 当時の鹿児島県では、1959年創設のヴォルカ鹿児島が九州リーグで戦っていた。ともにJリーグ参入を目指して準加入を申請した過程で、Jリーグ側からはクラブの統合を求められた。歴史も活動拠点も異なる両クラブが、ようやく統合で合意したのは2013年8月。名称のユナイテッドには「ひとつ」という意味が込められた。
 鹿児島は2014シーズンから日本フットボールリーグ(JFL)に昇格し、2016シーズンからはJ3リーグへの参入が承認された。悲願のプロクラブ誕生へのターニングポイントとなったクラブの統合には、実はかなりの紆余曲折があり、刑事告発した男性はヴォルカ鹿児島に所属していて、統合後は鹿児島でスタッフを務めていた。
 こうした経緯も関係していたのか。徳重代表の書類送検を報じた記事で、同男性は「組織を独占する目的で、私を理事から外したのではないか」と語っている。
 もちろん、書類送検イコール、有罪確定というわけではない。今後は鹿児島地検の捜査に委ねられ、正式起訴されて刑事裁判になるか、罰金刑相当と判断されて略式起訴となるか、あるいは不起訴になるかのいずれかが原則として考えられる。
 徳重代表も自身のX(旧ツイッター)を更新し、次のようなポストを投稿した。
「ご心配とご迷惑をおかけして申し訳ございません。捜査等につきましては、すでに誠実に対応しており、今後も丁寧に対応して参ります」
 鹿児島には昨年度予算で、県から4000万円、市から3000万円の補助金が計上されている。そうした背景もあり、クラブや徳重代表のXには引き続きチームを後押しする声とともに、フロントへの厳しいコメントも寄せられている。
「やっていることは立派な犯罪行為ですよ。めちゃくちゃです。残念です」
「杜撰なクラブ運営がされているようでとても残念です」
「丁寧に対応して不起訴なら音沙汰なしで辞めないんだろうなあ」
「勤務実態がない、の内容がビックリしました。勤務実態無くても報酬は出るのかな?」
「結局悪いと思ってるのか悪いと思ってないのかよくわからんリリース」
 今シーズンの鹿児島は川崎フロンターレやFC町田ゼルビア、鹿島アントラーズなどで指揮を執った相馬直樹新監督(53)のもと、4試合を終えて首位のFC大阪に勝ち点3差の2位につけている。直後にピッチ外で起きたフロントのドタバタ劇は、2シーズンぶりのJ2復帰へ向けて好スタートを切ったチームの勢いに水を差しかねない。

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