
すでに伝説?!明日両国で村田諒太超えのA級デビューのアマボクシング界“モンスター”坪井智也…現役WBO世界王者と互角スパー「グレートなボクサー」と称賛の声
プロでは115ポンド(52.16キロ)のスーパーフライ級を主戦場にしたいと考えているが、今回の試合は117ポンド(53.07キロ)の契約ウエイト。アマチュア時代は体重コントロールに苦労したこともあったが「体重は落としているので大丈夫」という。
デビュー戦の相手はWBOアジアパシフィックバンタム級2位のブーンルエン・ファヨン(26、タイ)。帝拳サイドは、坪井のアマ実績を考えていきなり地域王者クラスに片っ端から声をかけた。ロンドン五輪金メダリストでのちにWBA世界ミドル級スーパー王者となった村田諒太のデビュー戦相手も6回戦のノンタイトルではあったが、当時のOPBF東洋太平洋王者の柴田明雄だった。しかし、今回はすべてに断られ、やっとOKをもらったのが、このタイ人。14勝(14KO)3敗の戦績を持ち勝利はすべてKOというオーソドックススタイルのボクサーファイターだ。スピードはないが、闘争心にあふれワイルドにパンチを振り回してくる怖さがある。WBOオリエンタルフェザー級王座決定戦に挑んだこともあり、フレームは坪井よりも大きい。
坪井は「左右のフックがとても強い印象で、その強打を気をつけながら自分自身の戦略に引き込んで戦っていきたい」と慎重に構える。
ただこのアジア2位のタイ人は、82%のKO率を誇る一方で、キャリアの3敗はすべてKO負け。ボディショットでも倒されていて、ディフェンスは甘く、決して打たれ強いわけではない。坪井がインパクトのある勝利をアピールするには、おあつらえ向きの相手かもしれない。
世界的チャンピオンメーカーである帝拳の本田明彦会長も「過去うちにきたアマチュアの中で坪井が最強ですよ」と太鼓判を押す。村田のプロテストはA級だったが、デビューは6回戦だった。
育成、世界挑戦に関しては、慎重な姿勢を貫く本田会長が珍しく「プロとしてどれだけ伸びるかはわからないが、年齢のこともあり、そう世界へ時間をかけるつもりはない」と考えている。
坪井も「すべては本田会長に任せているが、気持ち的にはできるだけ最短で世界を狙いたい」という話を前にしていた。
このデビュー戦は単なるデビュー戦ではない。いつ世界挑戦への扉が開くかをいきなり見定められる試合になるのだ。坪井が田中恒成の持つプロ5戦での日本最速世界王座奪取記録を更新する可能性は十分にある。
坪井が狙うスーパーフライ級は、5月にWBA王者のフェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)に元4階級制覇王者の井岡一翔(志成)が再戦を行い、田中恒成からベルトを奪ったWBO王者のプメレレ・カフ(南アフリカ)は、この階級でビッグネーム化しているWBC王者のジェシー“バム”ロドリゲス(米国)との統一戦が浮上している。IBFは昨年12月の王座決定戦で同級3位のウィリバルド・ガルシア(メキシコ)と同級4位レネ・カリスト(メキシコ)が対戦したが12回引き分けに終わり王座は空位のままである。すぐにターゲットを絞れるベルトはないが、坪井がこの戦線に割って入るとスーパーフライ級が盛り上がることは間違いない。注目のデビュー戦である。