
今日統一戦ゴング!WBC拳四朗の1万5000円超高級スイーツとWBAユーリの中華粥の“勝負飯対決”の判定は?
そのメニューを聞いて「冗談じゃないんですか?」と大笑いしたのがユーリだ。
こちらの勝負飯は中華粥。6月に第三子の男の子が誕生予定の身重の奥さんが、医師から止められて今回は岡山から上京できないため中華料理店で食事する予定だという。今回の試合に備えて母校の環太平洋大のサポートを受けて体幹を軸としたフィジカルトレーニングを取り入れ「想像以上に体が大きくなった」という効果を得た。その分、減量はきつくなったという。
両者の対照的な勝負飯を昨年JBCとJPBA合同の医事講習会で「減量と水抜き」について講演したスポーツトレーナーの桑原弘樹氏に判定してもらった。
「どっちが正しいか?と単純に聞かれれば間違いなくユーリ選手です」
そう明言した。
「前日のリカバリーではリスクのある食事を選択すべきではありません。まず減量で弱った胃には、油成分の多いものが避けた方がよく、唐揚げなんてマイナス要素です。鶏肉はタンパク質。このタイミングで必要な栄養素ではなく、もう減量は気にしなくていいのですから、鶏肉よりも、アミノ酸の多い牛肉、栄養素の高さで言えば豚肉です。またスイーツの抹茶クリームも油性分が多く、胃がびっくりして、消化活動が弱まり、胃もたれ感が残るとか、体調になんらかの影響を与えるリスクを含んでいます。もし拳四朗選手がまだ実績のないグリーンボーイであれば、“もう1日待て。細心の注意を払い、好きなものは試合が終わってから食べればいい”と指導したいですね。これまでは、ウナギを食べていたと聞きますが、そちらの方がベターです」
一方のユーリの中華粥はベストのリカバリー食に近いという。
「こちらは、弱った胃に優しく、消化、吸収を助け、しかも試合でエネルギーになる炭水化物。理想的でしょう。中華粥に他にどんな食材が入っているかわかりませんが、卵など栄養素の高い食材も加わっていそうです。お粥や雑炊は、細胞内から枯渇している水分補給にもなります」
「ただ」と桑原氏は言う。
「これはあくまでも計量後の食事の理想はどちらか?という答えにすぎません。2人のような世界レベルの選手になると計量後の食事には、そういう部分を超越した効果があります。好きなものを食べることで、気持ちを整え、メンタルの安定、満足感を得られる。あるいは、これを食べると勝てる、気合が入るといったジンクスのようなものが自信につながるなどのプラス効果もあります」