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世界選手権金メダリストの坪井智也が衝撃デビューを飾る(写真・山口裕朗)
世界選手権金メダリストの坪井智也が衝撃デビューを飾る(写真・山口裕朗)

衝撃の高速8連打でTKOデビュー“超新星”坪井智也の「強さはロマチェンコ級」…本家と戦った男が「日本最速世界奪取記録を更新できる」と太鼓判

 デビュー戦に向けてのスパーリングでは、そのユーリやオラスクアガと互角以上にやりあい、関係者の間で評判が立ったが、プロ仕様へのモデルチェンジに葛藤があった。アマチュアの3分×3ラウンドからプロの3分×12ラウンドに対応するため、スタミナを温存させる手のひとつとして、できるだけ無駄な動きを減らそうと「足を止めて一歩の距離で戦うボクシング」へのモデルチェンジを試した。だが、結果的に「パンチをもらうし、打ち合う局面ができて疲れる」というハレーションが起きた。「感覚が狂って良さが出なくなった」という。
 試行錯誤の末、坪井は、再度、金メダルスタイルへ戻した。
「アマの動きを取り入れながら今日倒したようなパンチを的確に打っていく。それを意識したらスムーズにできるようになった。このリズムを相手に押し付ければ相手は疲れるだけで僕は疲れないし、相手のパンチも当たらない。こっちが数を当てていけば、相手の体的な機能は壊れていく。どっかしらで倒す勝負ができる」
 そして自らがプロで追求するボクシングをこう表現した。
「戦略で上回った上で、パンチを当てていけば、絶対に体は機能的に壊れていく。そこを狙うボクシングをやっている」
 すでにぶれないものがある。
 その坪井のデビュー戦を見て、日本最速での世界奪取記録を「更新できる」と太鼓判を押したのが、帝拳OBで、2021年に9ラウンドTKOで散ったものの“ロマチェンコと戦った男”として知られる中谷氏だ。現在は、大阪の吹田市にアマチュアボクシングジムの「中谷ボクシングフィットネスクラブ」をオープンしている。
「スピード、回転力、テクニックは、ロマチェンコのデビュー時に重なるものがあった。ロマチェンコの代名詞だった高速連打に匹敵する連打だった。日本最速記録で世界を狙うと聞いたが、スーパーフライ級という階級なら、挑戦する相手を選び、ポイントアウトを徹底して勝つことだけにフォーカスすれば、4戦で世界は獲れるんじゃないか。取れるんじゃないか。12ラウンドのスタミナさえつければOKだと思った」
 ただ課題も見えたという。

 

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