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世界選手権金メダリストの坪井智也が衝撃デビューを飾る(写真・山口裕朗)
世界選手権金メダリストの坪井智也が衝撃デビューを飾る(写真・山口裕朗)

衝撃の高速8連打でTKOデビュー“超新星”坪井智也の「強さはロマチェンコ級」…本家と戦った男が「日本最速世界奪取記録を更新できる」と太鼓判

「悪い言い方をすれば手打ち。アマが長かっただけに抜けきっていないクセがある。効かせるパンチを打てていない。アマは、効かすことに重点を置かないのでそもそも練習からしてまるっきり違う。プロとアマのグローブの違いもあり、インパクトの瞬間に拳を握る、つまり力を入れるタイミングが1、2センチずれるのだ。コツコツとダメージを蓄積させるにしても拳にパワーが乗っているパンチを積み重ねない限り倒せない。強いパンチを打とうとするとタメが必要になってくるのでスピードも落ちる。アマ時代に坪井が磨いた良さを残しつつ、その課題を克服できるかどうか。そこが本物のチャンピオンになれるかどうかの壁だろう」
 実は、対戦相手のファヨンも「スピードはあったが、パンチ力はそれほどでもなかった。2度目のダウンのパンチは効いたが」と素直な感想を口にしていた。坪井自身も、そこが今後の課題であることを認識している。
 中谷氏が続ける。
「ロマチェンコも同じ壁にぶつかり、プロ2戦目での世界挑戦では勝てなかった。連打は打ち込むが、効かすことができなかった。そこからモデルチェンジして、ビッグパンチを交えることができるようになり、世界を獲った。坪井もまさにロマチェンコ風のモデルチェンジが必要になると思う」
 北京、ロンドン五輪の金メダリストのロマチェンコは史上最短となるプロ2戦目でWBO世界フェザー級王者オルランド・サリド(メキシコ)に挑んだが1-2判定負け。3戦目にサリドの王座剥奪で空位となった同王座決定戦でゲーリー・ラッセル・ジュニア(米国)と対戦して最短タイとなる3戦目での王座獲得に成功している。
 坪井は「早めにできれば世界を狙いたいが、チーム帝拳で動いている。本田会長が、用意くださる舞台を着々とこなせば、おのずと世界は見えてくる。上ばかりみずに足元からコツコツとやりたい」と浮ついていなかった。
 理想のプロボクサー像にも触れ「強くなるというのもあるが、人として、大人としてカッコイイボクサーになりたい」とも明かした。
 その志はすでに世界王者になるべき男のもの。
 ただ記録を狙うなら時間はない。
「本当に強い選手と12ラウンドを戦ってどうなるかまだわからない。今のボクシングで長いラウンドを動き続ける体力、技術、機能的なものをあげていく」
 対戦相手のレベルが上がる次戦に注目だ。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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