
大谷翔平の衝撃凱旋2ランに「むしろ2打席かかったことに驚き」とドジャース捕手スミスが称賛を超えた意外反応…巨人阿部監督は「ああやっぱり打つな」
ドジャースの大谷翔平(30)が15日、東京ドームで行われた巨人とのプレシーズンゲームに「1番・DH」でスタメン出場し、3回無死二塁の第2打席に戸郷翔征(24)から衝撃の2ランを放った。日本での本塁打は2023年のWBC1次リーグの豪州戦以来、734日ぶりとなった。本番を前にした“ここ一番”で期待通りの結果を残すスーパースターにチームの内外からは、もはや称賛や驚きを超えた意外な声が相次いだ。なおゲームは大谷の2ランを含む3本塁打を浴びせたドジャースが5-1で快勝した。
戸郷の初球カーブを見逃さなかった
期待が高まれば高まるほどそれを力に変える。やはり大谷は正真正銘のスーパースターだった。戸郷から第1打席にフルカウントからの外角の際どいコースを見逃して四球を鰓んた大谷は、続く3回無死二塁の第2打席にいきなりやってのけた。
初球のカーブ。真ん中低めに落ちて来るカーブに、やや泳いだが、しっかりと左腰は残してスイング一閃。
「いい角度で上がったので、ちょっと先でしたけど、入るんじゃないかなと思いました」
かなりバットの先だったが、大谷には確信があったという。
昨年のワールドシリーズで盗塁を試みた際に亜脱臼した左肩をオフに手術。可動域を確かめながらキャンプインしたが、左手を離すことなくボールに力を伝えていた。乾いた衝撃音が東京ドームに響くと同時に「ウワーッ」という4万2064人の大歓声に押されて打球はライトスタンドの中段まで飛んでいった。
ドームは熱狂の坩堝。公式データによると、打球速度105.0マイル(約168.9キロ)、飛距離391フィート(約119.2m)、角度32度の特大弾だった。
メジャー史に、その名を刻んだ「50‐50」は、敵地のマーリンズ戦で驚愕の1試合3発で成し遂げた。悲願の初出場を決めたポストシーズンでは地区シリーズ第1戦となるパドレス戦で同点3ランを放った。そして今季はオープン戦の初っ端となるカクタスシリーズでも本塁打をマークしてきた。
ここ一番で必ず期待に応えるのが大谷なのだ。
試合後の公式会見でロバーツ監督は、「ショウヘイのホームランはスプリット(実際はカーブ)に泳がされず捉えられた素晴らしい打席だったと思う」と、その本塁打を振り返り、「パフォーマンスを発揮するべき場面で、それができるのがショウヘイらしい」と、その勝負強さを称えた。
米国記者から「大谷が期待される場面で力を発揮できるのはなぜか?」と聞かれたが、ロバーツ監督は、「特にルーティンを見て、特別なことをしているとは感じないが、こういう大事な、特に日本人として大事な試合に何か結果残せるという力があるんじゃないか」と答えるしかなかった。
大谷は、「これだけ(ファンに)入ってもらって、エキシビションでしたが、自分としても、久々に帰ってきたなっていう感じがしたので、いいゲーム、いい打席だったと思います」とコメントしている。メジャーの記録を次々と塗り替えている地球上最高のプレーヤーは、ファンの声援やムードをプレッシャーからくる力みではなく、集中力に変えることができるのだろう。