
なぜカブスは阪神20歳の門別啓人に5回パーフェクトを許し完封負けを喫したのか…米メディアの分析は「NPBの飛ばないボール」「日米ルールの違い」「データ不足」
2つ目は日米のルールと野球のスタイルの違い。プレシーズンゲームでは、ピッチクロックや牽制制限などのメジャー独自のルールを採用していなかった。
同サイトは「NPB球団の野球スタイルも異なる。彼らはスモールボールに頼っており、阪神は3回に先頭打者(梅野)が二塁打を放つと、次打者(小幡)に送りバントをさせた」とも指摘した。阪神はその3回に近本のタイムリーで先制点を奪っている。
加えてカブスは機動力を使うチームが苦手だという。正捕手ミゲル・アヤマの盗塁阻止率が低く、この試合で阪神に3盗塁を許したことをピックアップした。どう改善するかが、今季のチームの課題でもあり、オフに肩の強いカーソン・ケリーを獲得したのは、その対策のひとつだという。
3つ目に「2025年の野球ではデータが重要だが、阪神戦はまるでタイムマシンに足を踏み入れたようなものだった。カブスは投手と打者に対する高度なスカウティングがなかったため、直感とお互いのコミュニケーションに頼らざるを得なかった」と、データ不足で試合に臨んだ影響を指摘した。データにどれだけ依存しているかの日米の違いがモロに出たのかもしれないが、阪神が何か特別なカブスのデータを集めていたわけではなく条件は同じである。
米サイト「ヘビースポーツ」は、「カブスは、東京でのエキシビション初戦で時差ボケに見舞われた」と、13日に来日してまだ時差ボケが解消されていないことを理由にあげた。
そしてさらに影響を危惧したのは「カブスはMLBの公式戦で使用されているボールとは異なるボールを打っていた」という使用球の違いだ。今回のプレシーズンゲームでは、阪神、巨人が守備時にはNPB公式球、カブス、ドジャースが守備時にMLB公式球が使用されている。
「阪神の投手が投げるボールはMLBのものより小さくふにゃふにゃしている。 またMLBのボールよりも縫製がきつく動きにくい」
同サイトは鈴木の第2打席のセンターフライを例にあげた。
「鈴木が打球速度111.7マイル(179.7キロ)のラインドライブを放ち、飛距離は343フィート(104.5m)だった。この打球は、柵越えするように見えたが、凡フライに終わった」
20度の角度で上がった打球は、カブスベンチにセンターオーバーの期待を抱かせたが、失速し、近本は余裕で追いついていた。パワーで勝るはずのメジャーのチームが、NPBの“飛ばないボール”を敗因にあげるのは“笑止千万”かもしれない。