
超異例!「負けたら引退」「勝てば横浜にマンション」…5.28横浜BUNTAIでIBF世界スーパーフェザー級王座に挑む力石政法が「天国と地獄」の異例条件マッチを自らに課した理由とは?
その決意が重圧につながるのでは?との危惧もあるが「プレッシャーにはならない」と一蹴した。
「もともとボクシングは好きじゃない。やらされて始めたスポーツ。ただ自分にはこれしかないと、オフに入ってもすぐ体を動かしているし、今や生活の一部で心の底では好きなのかもしれないが、表面上は嫌い」
そして「負けて引退したら世界一周でもしますよ」と笑い飛ばした。
一方で「勝ったら横浜にマンションでも買おうかな」という夢も語った。
現在、横浜市内の一軒家の大橋ジムの寮で、坂井優太、田中将吾ら若手と一緒に暮らしていて、それはそれで楽しいが、世界王者になれば、そこを脱出。「横浜のお得でラグジュアリーなところ」にマンションを購入したいという。
「チャンピオンになれば人生はフィーバーする。一生の勲章じゃないですか。チャンピオン以外は、1位も15位も100位も一緒なんです」
力石の中での世界王者の価値はそれくらい高い。
ただ対戦相手のヌニェスは怪物だ。28戦27勝1敗の戦績で27勝はすべてKOというハードパンチャー。力石は「うまくふりまわしてくる。ボディでも攻め落としている。嫌なタイプのいやなKOパンチャーだと思っている」としながらも「対策は100パターンくらいある」と攻略に自信を抱く。
大橋会長もヌニェスの実力を「昔のメキシコのファイター。ぐちゃぐちゃじゃなく、左アッパーからボディとか理にかなったファイター。こっちはサウスポーなのでボディをもらう位置にもってこられる」と認めた上で「力石の気迫に期待することしかない。はまる可能性がある。豪快に倒すか倒されるかの試合になる」と期待を寄せた。
世界奪取への根拠もある。
大橋ジムへ移籍して環境が変わったことが大きな刺激になり、30歳にして進化のきっかけをつかんだ。
「細かな技術そう。まわりにトップ選手がいるので、そのいいところを取り入れ、技も盗める。厳しい練習も、一緒に練習している選手がいるからもうひとこえ頑張れる」
階級は違うが、世界ユース金メダリストのスーパーホーブの坂井優太、WBA世界スーパーライト級1位の平岡アンディら同じサウスポーから学ぶ点があり、坂井からは「前の手の使い方」のエッセンスを参考にしたという。
そして「最強の大橋ジム」を引っ張るスーパーバンタム級の4団体統一王者の井上尚弥に「尚弥さんが勝ち続けて、スターになったおかげで、素晴らしい環境が用意されている」と感謝した。