
三笘薫「今話すのは難しい」“世界最速”で2026年北中米W杯出場を決めた森保ジャパンは“本番”で勝てるのか?
カタール大会の組み合わせ抽選会を振り返れば日本はポット3で、ポット1のスペイン、同2のドイツと同グループになった。ポット2に相当するランキング国は、現時点でドイツ、ウルグアイ、コロンビア、クロアチア、モロッコ、セネガルなど。ポット2に入るだけで、いかに状況が変わってくるかがわかる。
FIFAランキングは、公式戦と国際親善試合とで結果に対して付与されるポイントが大きく異なってくる。当然ながら前者が大きい。W杯予選が佳境を迎えている南米、一部が今月から、全体的には今年9月から始まるヨーロッパの国々には、これから公式戦のFIFAランキングポイントが加算されていく。
つまり、再び埼玉スタジアムにサウジアラビアを迎える、25日のアジア最終予選第8節を含めて、史上最速で本大会出場を決めた日本に消化試合は存在しない。国際親善試合が組まれる予定の9月、10月、11月の国際Aマッチデー期間も含めて、森保監督もバーレーン戦後に今後の戦いへ向けてこう語っている。
「一戦一戦、常に勝利を目指していく姿勢に変わりはない。それでも、選手を試すなど、これからの成長に向けても全力で戦っていきたい」
シャドーの一角で先発フル出場し、1ゴール1アシストと大暴れを演じた久保は、前回カタール大会出場を決めた2022年3月のオーストラリア戦で、自身がベンチのまま試合を終えていた点を踏まえながら前を見すえた。
「今日の試合でベンチだった選手がワールドカップでスタートから出るかもしれないし、先発した僕たちの誰かがワールドカップをベンチで見つめるかもしれない。ここからの1年ちょっとで代表がどのように変化していくのかは、イコール、自分たちが(所属クラブで)どのように変化していくのかだと思っている」
指揮官は常に勝利を前提として、チームを成長させるマネジメントを追い求める。選手たちは代表に招集されるたびに、以前よりも階段を駆けあがった姿を見せようと所属クラブで己を磨き続ける。三笘が窮した答えをそれぞれが異なる形で心のなかに抱きながら、北中米を舞台にした最大の戦いへ向けて、森保ジャパンがライバル勢に先駆けて次のステージへ足を踏み入れた。
(文責・藤江直人/スポーツライター)