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球界大御所は大谷翔平が大活躍の東京シリーズをどう評価するのか?(写真・AP/アフロ)
球界大御所は大谷翔平が大活躍の東京シリーズをどう評価するのか?(写真・AP/アフロ)

「大谷翔平は世界の宝だが、ドジャースは物見遊山。OP戦の延長みたいで本番モードになっていなかった」球界大御所が見たMLBの東京シリーズとは?

 開幕戦で先発し5回を3安打4奪三振1失点の好投で今季1勝目を手にした山本をロバーツ監督は、「シーズンを通して健康であれば、サイ・ヤング賞を獲得する可能性が十分にある」と称賛した。
 広岡氏も「怪我さえなければサイ・ヤング賞という期待を裏切らないだろう」と評価した。
「相変わらず素晴らしい素材だと思った。山本の野球に対する考え方、取り組みが素晴らしい。フォームは安定しているし、ボールの質、コントロール、そして勝負球のスプリットもコントロールできる。何しろ投球の組み立てがかしこい。問題はシーズン通してのコンディション。そこが重要だ」
 そしてカブスの今永についても「頭がいい」と評価した。
「今永は、頭の中でしっかりと、観察して感じたもの、状況、データなどを整理して投球を組み立てることができている。メジャーは球数で決めるし、しかもドジャースと同じく、チームはまだ調整段階なのだから、ノーヒットでの4回降板はいたしかたない。ただ今永がいいのは、タフで故障が少ないことだ。メジャー1年目からしっかりとローテーを守った。今年も結果を残すと思う」
 今永は、移籍1年目の昨季に29試合、173回3分の1に登板して15勝3敗、防御率2.91の数字を残している。
 また佐々木についての評価は「まだ先発ローテーに組み込む状態にないが、日本ということでお披露目したのだろう」という厳しい見方。
 2試合で9打席立ちノーヒットに終わり、第2戦では、3三振を喫したカブスの鈴木誠也については、温かい視線を送った。
「今回は、日本での試合を意識し過ぎて持てる力を発揮できなかった。しかし、体幹がどんどんしっかりしてきているし、シーズンを通じてみれば、今年もそこそこはやると思う」
 ドジャースの東京シリーズの試合内容については厳しい意見を口にした広岡氏だが、来日後の練習映像を見ている中で、学ぶ点があったという。
「ノックを見ていたが、短い距離からの打球をすべて体の中心、グラブの芯で捕球するなど、基本をしっかりとやっていた。これがメジャーリーガー。その昔、私はドジャースのベロビーチでキャンプを経験したことがある。そこでドジャース戦法を学んだが、その頃から、ずっと変わらぬ基本だ。これこそ日本の選手が学ぶべき部分なのだ」
 広岡氏が現役時代の1961年に巨人は、川上哲治新監督のもと、当時のドジャースのキャンプ地ベロビーチで春季キャンプを張った。半世紀以上、64年もの年月が流れたが、2025年のドジャースに伝統の名残を見つけたという。
 大谷らドジャースのメンバーは19日に米国ロサンゼルスに帰国した。ドジャースは再びオープン戦を行ったあと、3月27日(28日)にドジャースタジアムでのエンゼルスとの本拠地開幕戦を迎えることになる。
(文責・駒沢悟/スポーツライター)

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