
井上尚弥の力を借りて2028年ロス五輪で存続決定のボクシングで「金2個以上を獲る!」…異例のプロアマ合同合宿を計画
有効パンチ数がカウントされ、それに沿って各ラウンドごとの10点法で採点されるため、これまで同様に手数も大事だが、数値化のできないリングジェネラルシップやダメージもポイントに影響する。そこでプロのスキルを合同合宿で直接吸収しようというわけだ。
ではプロから誰を呼びたいのか。
「アマ出身でプロへいった若手。井上選手にも来てもらえれば」
あのモンスターの名前が出た。
井上はアマ出身だ。高校1年でインターハイ、国体、選抜の三冠を達成し、アジアユース選手権で銅メダルを獲得し、2年時には世界ユース選手権でベスト16、3年時にはインドネシア大統領杯で金メダルを獲得、世界選手権でもベスト16に入った。だが、出場を目指したロンドン五輪では、予選を兼ねたアジア選手権の決勝で敗れ、代表権を得ることができずプロに転向している。その自らが果たせなかった夢を後輩たちに託すためには協力は惜しまないだろう。
須佐氏は、井上の実弟で元WBA世界バンタム級王者、拓真の特別コーチを務めたこともあり、大橋ジムとは交流があり、すでにプロアマ合同合宿の計画を大橋秀行会長には伝えているという。
「田中空選手、今永選手、堤駿斗、麗斗選手。最年長の岡澤セオンが29歳なので、その前後の年齢の選手の方がコミュニケーションは取れる。井上拓真選手、堤聖也選手、坪井選手らも」
1995年生まれのWBA世界バンタム級王者の堤聖也(角海老宝石)、前同王者の井上拓真、先日プロデビューを飾った2021年の世界選手権金メダリストの坪井智也(帝拳)らに加え、世界ユースで金メダルを獲得している元OPBF東洋太平洋王者の堤駿斗、21日にプロテストを受ける弟の麗斗(共に志成)、大橋ジムのアマ10冠でライト級の今永虎雄、アマ5冠の“横浜のタイソン”田中空の若手コンビらにも参加を呼びかける方向だという。
日連は須佐氏をトップに、宮崎の名門、日章学園で監督を務めた東京農大出身の長嶺秀昭氏を強化委員長/代表ヘッドコーチに据えて強化体制を固めた。
また選りすぐりの精鋭だけを強化していく方針で、4月26、27日に男女のボックスオフを開催して、その強化選手を絞る方向。当面の目標は9月に英国リバプールで開催されるワールドボクシング主催の世界選手権。来年には名古屋のアジア大会が控える。果たして3年後のロス五輪で史上4人目の金メダリストが誕生するのか。