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ドジャースの佐々木朗希は押し出し四球を出す大乱調も最速163キロをマーク(写真・AP/アフロ)
ドジャースの佐々木朗希は押し出し四球を出す大乱調も最速163キロをマーク(写真・AP/アフロ)

「佐々木朗希はガラスのエース。今の状態での全力投球は故障につながる。ローテーを守るのは無理だ」球界大御所が東京シリーズで“大荒れ”メジャーデビューした“令和の怪物”を辛辣評価

 メジャーリーグの東京シリーズでデビューを飾ったのがドジャースの佐々木朗希(23)だ。開幕第2戦でカブスを相手に3回を投げて1安打4奪三振1失点。最速163キロをマークしたが、押し出しを含む5つの四球を出すなど大荒れの内容だった。巨人OBでヤクルト、西武で監督、ロッテではGMを務めた球界大御所の広岡達朗氏(93)は「ガラスのエース。ファンサービスで投げただけ。今の状態でローテーを守るのは無理だ」と辛辣な評価を与えた。

 最速163キロも3回を押し出し四球を含める5四球と大荒れ

 日本列島にドジャース旋風を巻き起こした東京シリーズの第2戦でメジャーデビューを飾ったのが“令和の怪物”佐々木だった。立ち上がりからリミッターを外した。初球からストレートは100マイル(約160キロ)を超えて三者凡退。「2番・DH」の鈴木誠也は高めのゾーンに投じた159キロのストレートで空振りを奪っての三振だった。
 だが、2回に入ると突如、別人へと変貌した。
 球速もガクンと落ちてストライクが入らない。特にスプリットがまったく制御できていなかった。2つの四球を与え、3回には、一死からラストバッター、ジョン・バーティーのボテボテの三塁前へのゴロが内野安打になると、イアン・ハップ、鈴木、カイル・タッカーに3者連続四球で、押し出しで失点した。だが、そこからネジを巻きなおして、マイケル・ブッシュ、マット・ショウをストレートとスプリットで連続三振。球数は、まだ56球だったが、デーブ・ロバーツ監督は、「本人はもっと長いイニングを投げたがっていたが内容を見て3イニングにした」と降板を命じた。
 佐々木自身は、「前のイニング(2回)から微妙なコントロールのズレがあった。それは次の修正点。それ以上に初回しっかり投げられたこと、あの感覚はしばらくなかったので、そこが戻ってきたのは良かった。メジャーのいいバッターに対して自分のパフォーマンスができて良かった」と納得の自己分析。
スプリットが入らなかったことには「今日に関してはなかなかコントロールができずにベース板の上を通らなかった。ここ2回の登板ではなかったこと。気候とか環境が違うところがある。その場に応じた対策をしていかなきゃいけない」と話した。
 だが、球界大御所の広岡氏は「崩れたのはフォームバランスが悪いからだ。下半身ができていないからフォームが固まっていない」とバッサリと斬った。
「1回はロッテ時代より気持ちが入っていた。やはり素材は一級品だ。狙って三振を取れるらしさも見せた。たった3回だがゲームも潰さなかった。ロッテ時代に私が見た限りでは、メジャーのことが気になっていたのかあんな気持ちの入った全力投球を見たことがなかった。しかし、全力を出して力んだ影響が2回以降に出た。慣れないピッチロックや緊張もあり戸惑いもあったと思う。そこは大目に見てやらなきゃいけないが、フォームが簡単に崩れた。それは体ができていない証拠なんだ」

 

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