• HOME
  • 記事
  • サッカー
  • なぜ2026北中米W杯出場を決めた森保監督は“批判歓迎”の異例要望をメディアに出したのか…歴代優勝国を見て感じたムーブメント
森保監督がW杯出場決定の一夜明け会見で異例の要望
森保監督がW杯出場決定の一夜明け会見で異例の要望

なぜ2026北中米W杯出場を決めた森保監督は“批判歓迎”の異例要望をメディアに出したのか…歴代優勝国を見て感じたムーブメント

 第1次森保ジャパンが臨んだ前回のカタールW杯では、グループステージでW杯優勝経験のあるドイツ、スペインをともに逆転で撃破。ラウンド16でPK戦の末にクロアチアに屈し、4度目の挑戦でまたしても悲願のベスト8進出を逃した。
 日本サッカー史上では初めてW杯をまたいで続投したなかで、新たにキャプテンに指名したMF遠藤航(32、リバプール)が「優勝」の二文字を掲げた。
 壮大な目標が選手たちの合言葉になり、アジア最終予選のグループCを6勝1分け、24得点に対して2失点という圧倒的な強さで、3試合を残して2位以内を確定させた。国をあげての共闘を呼びかけるうえで、ベストのタイミングだと森保監督は判断したのだろう。
 本番を見すえた今後の強化プランも明らかになった。
 2025年の国際Aマッチデー期間は、今後は6、9、10、11月に定められている。このうち6月はアジア最終予選の最後の2試合が組まれているなかで、10月にパナソニックスタジアム吹田と東京スタジアムで、11月には豊田スタジアムと国立競技場でそれぞれ国際親善試合を実施するスケジュールが同時に発表された。
 開催国以外では日本しか出場を決めていない状況もあって、対戦国は4試合ともに未定となっている。11月までW杯予選が行われるヨーロッパ勢は難しいものの、今後は南米予選が9月に、アフリカ予選が10月にプレーオフを除いてそれぞれ終了。両大陸で出場権を獲得したチームとの交渉が可能になっていく。
 特に年内最後となる11月18日の試合会場に決まった国立競技場では、森保ジャパンでは2022年6月のブラジル戦、第2次森保ジャパンの初陣となった2023年3月のウルグアイ戦しか開催されていない。例えばアルゼンチンやブラジルなど、実力と集客力を兼ね備えた強豪国の来日プランが浮上する可能性も考えられる。
 この日は発表に至らなかったが、9月の国際Aマッチデー期間はアメリカを候補地に海外遠征が予定されている。難敵メキシコをはじめ、アメリカやカナダの本大会開催国とマッチメイクする時間が、他国に先駆けて十分に生まれているのも、3試合を残す“史上&世界最速”で出場権を獲得したメリットになる。
 原則として国内組だけで臨む7月のEAFF E-1サッカー選手権(韓国)、さらに来年3月の国際Aマッチデー期間を含めて、新戦力の抜擢を含めた代表チーム強化のポイントを、森保監督は「すべてをあげていかないといけない」とこう語った。
「できる限りのチャレンジはしていくが、チャレンジしすぎて逆に自分たちのペースを乱し、勝利につながらなくなるような状況は一番避けたい。より確実に勝利を積み上げていける流れを見ながら、選手を起用していきたい。今後へ向けて不安はないし、現状より少しでも前進していくテーマに対して常にチャレンジしていきたい。不安よりも未来へ向けて、いまやるべきベストを尽くしていきたい」
 本大会の組み合わせ抽選で重要視されるFIFAランキングを、現状の15位からさらに上昇させていくうえでも、内容だけでなく結果も求められる今後の戦いへ。21日の全体練習を取りやめ、個別練習にあてた森保ジャパンは22日から、再び埼玉スタジアムにサウジアラビアを迎える25日のアジア最終予選第8節へ向けて始動する。
(文責・藤江直人/スポーツライター)

関連記事一覧