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史上3人目のA級プロテストに合格した堤麗斗(写真・山口裕朗)
史上3人目のA級プロテストに合格した堤麗斗(写真・山口裕朗)

漫画みたいな「見えないパンチ」をサウジ長官が注目の“超怪物”堤麗斗が公開A級プロテストで披露…相手した元WBOアジア王者は3度もスパーで骨折させられた衝撃過去を明かす

 堤の志は大きい。
「世界チャンピオンは通過点。どんどんその先を見ていきたい。日本だけでなく世界へアピールしていけるような試合をしたい」
 目標はパウンド・フォー・パウンドの1位。
「“バム”ジェシー・ロドリゲス(WBC世界スーパーフライ級王者)、ワシル・ロマチェンコ(3階級制覇王者で現IBF世界ライト級王者)、フィニッシュ場面は、タンク(WBA世界ライト級王者のガーボンタ・デービス)みたいなファンが沸くようなフィニッシュにもっていきたい。それが理想。真似とかはしないが、イメージはそこ」
 ボクシング界を代表する3人のボクサーの融合が理想のボクサー像だ。
 本人は「1戦1戦、目の前の試合しか見ていない」としか言わなかったが、志成ジム関係者によると「10戦で世界挑戦」を目標に掲げているという。
 スパー相手を務めた木村も現在の堤のレベルをこう証言した。
「日本ランカーなんてレベルにはない。もう世界ランカーレベルですよ」
 順調に10戦を消化できれば2年から3年で世界挑戦のチャンスはくる。フェザー級は、井上尚弥が5階級制覇を狙っている階級で、12月にはサウジでWBA世界フェザー級王者のニック・ボール(英国)に挑戦するプランが練られている。リヤドシーズンが、堤に目を付けているのは、井上尚弥がフェザー級の戦いの舞台を移した際のライバルに仕立てあげようとしているのかもしれない。
 一方で、この日、ライブ配信したABEMAで解説と務めた兄の駿斗は、3戦目でOPBF東洋太平洋王座を獲得した。しかし、体重超過の失態から出場停止のペナルティを科せられて足踏みした。プロ6戦目となる昨年の大晦日にWBAのスーパーフェザー級挑戦者決定戦に勝ったが、デビューから3年目を迎えようとしてまだ悲願の世界挑戦は実現していない。
 その兄を尊敬している弟はこう言う。
「比べられるのはしょうがない。堤麗としてのボクシングをみせていき、評価してもらえたらいい。実際に2人が戦うのはないが、興行でどっちがメインを張れるか。ライバル意識はある」
 注目の8回戦のA級デビュー戦は5月上旬が予定されている。そこでは兄の駿斗と“兄弟競演”することが計画されている。配信するABEMAが強く要望したもの。リングサイドで視察したABEMA格闘チャンネルの北野雄司エグゼクティブ・プロデューサーも「お客さんにもモノの違いが伝わっていましたね。独特のリズムというか、兄の駿斗さんのスマートさとは、また違った“こいつにかかわったら、やばいぞ”みたいな雰囲気がありますよね。我々としては井上尚弥選手の次世代の若いスターを育てたい。麗斗君は、最大の候補の一人ですよ」と大絶賛だった。
 対戦相手にはアジアランカーが用意される予定で「強い相手と戦っていきたい」と堤は、その日が待ちきれない様子だった。

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