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阪神の佐藤輝明がドジャースとのエキシビションゲームでサイヤング賞投手のスネルから決勝3ランを放つ(写真・AP/アフロ)
阪神の佐藤輝明がドジャースとのエキシビションゲームでサイヤング賞投手のスネルから決勝3ランを放つ(写真・AP/アフロ)

「ドジャースを圧倒した阪神の佐藤輝明と才木浩人は勘違いをしてはならない」球界大御所は東京シリーズ成功がメジャー流出加速につながることを懸念「日本プロ野球は安閑としてはいられない」

 ドジャースの大谷翔平(30)の凱旋で日本列島を熱狂させた東京シリーズの前に行われたエキシビションゲームで存在感を示したのが阪神の才木浩人(26)、佐藤輝明(26)、門別啓人(20)の3選手だった。門別はカブスを5回パーフェクト、才木は大谷を完璧に封じこみ、佐藤はサイヤング賞投手のブレーク・スネル(32)から決勝3ランを放った。だが、巨人OBでヤクルト、西武で監督、ロッテでGMを務めた広岡達朗氏(93)は「勘違いをしてはならない」と警鐘を鳴らし、今回の東京シリーズの大成功がメジャー流出を加速させるきっかけとなることを懸念した。

「ロバーツ監督のコメントを本気にするな」

 大きなインパクトを残した東京シリーズの波紋はまだ続いているが、阪神の3投手が、ドジャースとカブスを相手に爪痕を残したことも忘れられない。15日のカブスとのエキシビションゲームでまだプロで未勝利の3年目左腕の門別が5回をパーフェクト。16日のドジャース戦では才木が5回を1安打7奪三振無失点の好投を見せた。大谷には、2023年3月にWBC前の強化試合でフォークをバックスクリーンに持っていかれたトラウマがあったが、そのフォークを連投して空振りの三振に斬って取り、第2打席では一転ストレートで勝負してセンターフライに打ち取った。またその試合では佐藤が、4回無死一、三塁でドジャース先発のスネルからライトスタンドへ決勝3ランを放った。スネルはオフにFAでジャイアンツから5年総額1億8200万ドル(約282億円)の大型契約でドジャースに移籍した左腕。最多勝1度、最優秀防御率タイトルを2度獲得していて、2018年、2023年には、サイヤング賞に選ばれている。そのドジャースのローテー投手がカウント2-2からインハイに投じた152キロのストレートをコンパクトなスイングで捉えたものだった。
 試合後デーブ・ロバーツ監督は「才木投手はもうメジャー級。スピリットも良かったし、コントロールもいい。佐藤選手は素晴らしいバッター。力負けをしないようなスイングだった」と称賛した。
 才木も佐藤もオフの契約更改で将来的にメジャー移籍を希望していることを球団に伝えている。メジャーへの最高のデモンストレーションになったことは間違いない。
 だが、広岡氏は「ロバーツ監督のコメントを本気にしてはダメだ」と警鐘を鳴らす。
「ドジャースもカブスも、まだオープン戦の途中のようなチーム状況で、非常になまぬるかった。そのチームを相手に、たまたまいいピッチングをしたといっても、それで彼らがメジャーで通用するなんて評価は与えられない。才木と佐藤にはメジャー志向があるらしいが、勘違いしてはならない。おそらく彼らは、そういうことを私に言われなくとも理解していると思う。藤川監督は、メジャー経験があるだけになおさらわかっているし、選手に勘違いはさせないだろう。今回の結果を自信に変えればいい。3人の中で才木だけは、現時点でメジャーで通用する可能性はあると思う。だが、長いシーズンを通じて調子を維持できるのかなどの課題はたくさんある。佐藤は論外。阪神で結果を残すのが先だ」

 

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