
ボクシング界の“ミラモン”松本圭佑が減量失敗で「白目をむいて痙攣し意識を失い」救急搬送されて日本王座戦が中止…1年間の出場停止処分で年内世界戦計画は白紙に
またメインに清水vs阿部の世界挑戦経験のある2人の注目のサバイバル戦が繰り上げられ、通常こういう場合は、チケットの払い戻しなどは行わないが、異例のチケット払い戻しに応じることも同時に発表した。それが大橋陣営のできる限りの誠意だった。
大橋陣営では、フェザー級でIBF5位、WBO9位、WBC13位に入っている松本が、今回の指名試合をクリアすれば、夏にも世界ランカーとの世界前哨戦を組み、年内にも世界挑戦する青写真を計画していた。だが、1年間の出場停止でその計画も白紙に戻ってしまった。再度、世界ランキングをあげてチャンスを手にするには、2年から3年の時間が必要になってしまう。また体重についてはスーパーフェザー級以上への転級が義務づけられる。
大橋会長は、「すべてにおいて甘いんだ。優しい言葉など一切かけない」と厳しく突き放した。
元OPBF東洋太平洋王者で世界挑戦経験のある父の指導を受けてきた松本は、ジュニア世代から突出した才能を見せつけU-15を5連覇して、フジテレビ系のテレビ番組「ミライ☆モンスター」に、度々取り上げられていた。2019年に東農大を中退してプロ入りを決意、プロ8戦目となる2023年4月に佐川遼(三迫)との日本フェザー級王座決定戦に判定勝利して初のベルトを獲得。初防衛戦はWBOアジア同級王者決定戦の2冠戦となったが、同級1位のリドワン・オイコラ(平仲)を“完封”した。ここまで4度の防衛に成功し、今回が5度目の防衛戦だった。
24日の夜になって松本は自身のSNSを更新。
「明日、3月25日に予定されていた日本フェザー級タイトルマッチですが、今朝救急搬送されたことにより棄権させていただく運びとなりました。チャンピオンカーニバル、Lemino興行のメイン、そしてチャンピオン側の棄権、恥ずべきことだと自分自身痛感しております。大変申し訳ございませんでした」と謝罪。「どんな処罰も重く受け止めて真摯に向き合っていきたいと思っております」と思いを伝えた。
プロ12戦12勝(8KO)無敗の才能に疑いはない。挫折をバネにゼロから立ち上がるしかない。(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)