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2試合連続でスタメン抜擢を受けた久保建英がドロー結果を受けて今後への覚悟を示す(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
2試合連続でスタメン抜擢を受けた久保建英がドロー結果を受けて今後への覚悟を示す(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

サウジに悔しいドローも久保建英は「信頼しているよ」と名波浩コーチから声をかけられ「苦しい時の受け皿になる」と覚悟を示す

 2026年北中米W杯のアジア最終予選第8節が25日に行われ、前節で8大会連続8度目の本大会出場を“世界最速”で決めた日本代表が、サウジアラビア代表と0-0で引き分けた。ホームの埼玉スタジアムでの連戦に臨んだ日本は、20日のバーレーン代表戦から先発を6人入れ替えたが、引き分けを狙うサウジアラビアの守備ブロックを最後まで崩せなかった。2戦連続でスタメン出場したMF久保建英(23、レアル・ソシエダ)は「苦しい時の受け皿になる」と本番に向けての覚悟を口にした。

 「3-0スコアで終わってもおかしくなかったが…」

 見覚えのある試合展開だった。
 すべてのフィールドプレイヤーが自陣に引き、ひたすら守備ブロックを固めるサウジアラビア。対する日本のボール支配率は73%に到達しながら、放ったシュートは10本にとどまり、ゴールの枠内に飛んだのはわずか3本だった。
 W杯カタール大会の苦い記憶が蘇ってくる。ドイツ、スペイン両代表を撃破して世界を驚かせたグループステージで、0-1のスコアで苦杯をなめているコスタリカ代表との同第2戦以来、実に約2年4カ月ぶりに、2023年3月に船出した第2次森保ジャパンでは27試合目にして初めて無得点のまま90分間を終えた。
 ミスから後半36分に失点して敗れたコスタリカ戦と異なり、スコアレスドローで勝ち点1を手にした日本は、アジア最終予選のグループCの1位突破を決めた。それでも、8大会連続8度目のW杯出場を決めた20日のバーレーン戦に続いて、MVPにあたるプレイヤー・オブ・ザ・マッチに選出された久保が自戒を込めて言う。
「試合内容としては3-0くらいのスコアで終わってもおかしくなかった、というのはさておいて、ここまで一方的な試合展開だったのに、0-0で引き分けてしまった結果はもったいなかったし、反省点として残ると思います」
 日本に続いてW杯切符を手にするグループCの2位を、豪州代表と激しく争うサウジアラビアは、システムを前節までの[4-1-2-3]から[5-4-1]に変更。フランス出身のエルベ・ルナール監督(56)が「美しくない試合だった。ショーという意味では申し訳ない」と謝罪したように、失点をとことん阻止する戦い方で臨んできた。
 序盤は日本もチャンスを作った。たとえば前半9分。代表初先発のDF高井幸大(20、川崎フロンターレ)の鋭い縦パスを敵陣の中央で受けたMF田中碧(26、リーズ・ユナイテッド)が振り向きざまにスルーパス。抜け出したFW前田大然(27、セルティック)の強烈なシュートはクロスバーに弾かれた。
 同19分には再び前田が、自慢のスピードを駆使したプレスで相手ボールをインターセプト。そのままペナルティーエリア内へもちこんだものの体勢を崩し、左足から放たれたシュートは難なく相手キーパーにキャッチされた。しかし、このあたりから自陣に引くサウジアラビアに守備のリズムができあがってしまう。
 迎えた27分。クロスバーの上を惜しくも越えたものの、相手ゴールまで25メートルはある距離から久保が迷わずに利き足の左足を振り抜き、サウジアラビアを驚かせた強烈なミドルシュートには、チームへ向けた檄も込められていた。
「最初はそのまま前へ運んでいこうかなと思っていたんですけど、相手の(ブロックにくる)人数も少なかったし、何よりも(日本が)シュート自体を打っていなかったので。とりあえず遠目からでも、打っておかないといけないと思って」

 

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