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2試合連続でスタメン抜擢を受けた久保建英がドロー結果を受けて今後への覚悟を示す(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
2試合連続でスタメン抜擢を受けた久保建英がドロー結果を受けて今後への覚悟を示す(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

サウジに悔しいドローも久保建英は「信頼しているよ」と名波浩コーチから声をかけられ「苦しい時の受け皿になる」と覚悟を示す

 こう語った久保の一撃が日本の3本目のシュートであり、引いた相手を前へおびき出すうえで有効となるミドルシュートは初めてだった。しかし、後が続かない。その後のミドルシュートは前半45分のDF菅原由勢(24、サウサンプトン)と後半42分のDF伊藤洋輝(25、バイエルン・ミュンヘン)の2本だけで、前者はサウジアラビアの選手にブロックされ、後者はゴールの枠を大きく外れた。
 日本サッカー協会が用意したチャーター便で、ヨーロッパから帰国したのが18日の未明。時差ぼけも解消していない状態で、同乗していたキャプテンのMF遠藤航(32、リバプール)とともに先発フル出場したバーレーン戦で1ゴール1アシストをマークした久保は、日本の“世界最速”の北中米W杯出場権獲得の原動力になった。
 中4日で迎えたサウジアラビア戦。森保一監督(56)の期待を物語るように、久保は再び[3-4-2-1]システムのダブルシャドーの一角で先発した。
高井やMF中村敬斗(24、スタッド・ランス)ら先発が6人入れ替わったなかで、攻撃陣で続けて先発したのは久保だけ。代表に初招集された2019年6月以降で、原則2試合が行われるひとつのシリーズでともに先発したのは初めてだった。
試合前には名波浩コーチ(52)からこんな言葉をかけられた。
「信頼しているよ」
 キックオフ直前のやり取りを明かした久保は、照れくさそうにこう続けた。
「そのひと言をもらえるだけで選手はうれしいし、頑張ってきてよかったと思う」
 カタールW杯出場を決めた2022年3月の豪州戦は、ベンチウォーマーで終わった。本大会ではドイツ、スペイン戦で先発したものの、ともにハーフタイムで交代。ゴールがほしかったコスタリカ戦では、最後まで出番が訪れなかった。
 初めて臨んだW杯を「黒歴史」と位置づけ、レアル・ソシエダの勝利に貢献しながら個の力を磨き続けて2年あまり。地道に積み重ねてきた時間が、日本の攻撃陣をけん引するエースの肩書きとともに花開こうとしていると、森保監督の起用法を介して実感しているからこそ、サウジアラビア戦でも勝利に貢献したかった。
「余裕があった分、ちょっと悩んでしまって、フワっとしたボールになってしまった。速いボールをあげるべき場面だったと思うし、ちょっとよくなかった」
 右サイドを個人技で縦へ突破した前半終了間際。ゴールライン際から右足でボールをあげるもサイドネットにひっかけ、シュートにカウントされたプレーを、久保はマイナス方向へ速いクロスをあげるべきだったと悔やんだ。

 

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