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  • 「必ず勝って1年でも1試合でも長く続けられるように」36歳の井岡一翔が5月11日にWBA王者マルティネスと“仕切り直し”再戦…勝てば国内最年長世界王座奪取記録を更新「超えたい」
王者のインフル感染で大晦日に中止となっていた井岡一翔とマルティネスの再戦が5月11日(大田区総合体育館)で正式決定
王者のインフル感染で大晦日に中止となっていた井岡一翔とマルティネスの再戦が5月11日(大田区総合体育館)で正式決定

「必ず勝って1年でも1試合でも長く続けられるように」36歳の井岡一翔が5月11日にWBA王者マルティネスと“仕切り直し”再戦…勝てば国内最年長世界王座奪取記録を更新「超えたい」

 モンスターは、1か月の延期だったが、井岡は約5か月。「明日戦う」と張りつめていたメンタルを5月まで維持するのは困難な作業である。
「初めてのことで(メンタルを)コントロールできていたかはわからない。いつもは試合が終わって、勝敗が出て、一番の理想は勝って自分の体を休め、ゆっくりする時間がある。今回は中止になって、大晦日に向けて張りつめていた緊張感をどう緩めればいいかを考えた。完全に切らすわけにはいかない。試合が2月になるのか、3月なるのか、と思いながら、張りつめた緊張でどこまでできるかを考えながら、早くトレーニングを再開して今に至る。気持ち的には難しかった。この経験で学ぶことが精神的には大きかった。プラスに考えて進んでいくしかない。それがあったから今日につながった」
 ただコンディションや対策面ではプラスが大きいという。
「大晦日に向けて、作りあげてきたものは、まったく無駄になっていない。プラスに考えると、さらにそれを作り上げる時間が増えた。トレーニング、練習はプラスでしかない。年に2試合のペースでやってきて、追い込む期間、休み期間が同じペースでやってきたが、今回はトレーニングが長くできていることの充実感、成長につながっている」
 井上も、過酷とも思える年3試合ペース(今年は4試合)が、コンディション維持や体力、技術アップにつながっているという話をしていた。メンタル面を除けばトレーニングの継続にはプラス効果がある。
 また井岡は「リマッチに強い男」で知られる。フアン・カルロス・レベコ(アルゼンチン)、ドニー・ニエテス(フィリピン)、ジョシュア・フランコ(米国)と3度のリマッチに全勝している。最初の対戦で察知した感覚を生かした上で、準備、戦略を万全に整えるからだ。今回は、敗れた試合のような打撃戦には応じず、徹底した出入りのボクシングで、ラウンドを支配していくスタイルに変更して臨むプラン。下手に下がる展開になれば、それが相手のペースになるリスクもある。マルティネスを空回りさせるような出入りが理想だが、試合までの期間がさらに伸びたことで、そのシミュレーションをさらに磨くことが可能になる。
 2日前に36歳の誕生日を迎えた。
「今こうしてボクシングを36歳まで続けているとは思ってもなかった。でもこうして続けられることにまず感謝している。結果が伴わないと続けられない。これが仕事でもある。ただ単にやりたいことをやっているわけじゃない。やりたいことを職業として続け、チャンプとして結果を出していくことがすべて。必ず勝って1年でも1試合でも長く続けられるように。ここまできたからこそ、もう一度、タイトルを取って返り咲いて自分が志すボクシングを見せれたなあと思っている」

 

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