3つ巴の物議を醸す異常事態？！ONEチャトリの暴言問題に激怒の海人が体重超過のグレゴリアンに対戦要求もSNSでは「最初から試合をやっておけ」「今さら戦う必要はない」と意見割れる

　総合格闘技イベント「ONE 172: Takeru vs. Rodtang」（23日・さいたまスーパーアリーナ）の大会後にチャトリ・シットヨートンCEOがシュートボクシング（SB）のエース、海人（27、TEAM　F.O.D）が体重超過した初代K－1スーパーウエルター級王者のマラット・グレゴリアン（33、アルメニア）とのキャッチウエイトによる対戦に合意せず試合が中止となったことを批判した騒動が新たな展開を見せた。チャトリCEOが発言の撤回、謝罪をする中で海人がグレゴリアンに対戦を呼び掛けたのだ。この意外な発言にSNSでは「それなら最初から試合をやっておけ」「今さら戦う必要はない」「ぜひ見たい」と3つ巴の物議を醸す異常事態となった。因縁マッチとしては最高だが果たして…。

「SNSで文句ばっか言い合いしててもファイターらしくない」

　チャトリCEOの暴言問題が新展開を迎えた。
　見当違いの批判を受けた当事者で「この人本気か？」と激怒していた海人が自身のSNSにて、グレゴリアンに対戦を呼びかけたのだ。
「なにを言っててもお互いに納得いけへんし。SNSで文句ばっか言い合いしててもファイターらしくない」と、ここまで海人だけではなく、所属ジムである「TEAM　F.O.D」も、SNSを通じてONEやグレゴリアンを猛烈に批判してきたが、その鉾を収めることを示唆して、こう続けた。
「俺は俺が本物のファイターやと思ってるしグレゴリアンも自分が本物のファイターやって言うんならリングで決着つけよう。ファイターなら勝った奴が正しい。負けた方が間違ってたで終わろうや。体重もルールも全部合わせたるから。俺にはもうこの決着方法しか思い付かん。これを断るならもう一生混じり合う事はない」
　そう断言して「これを向こうサイドにわかるように伝えてほしいです」と付け加えた。海人の所属ジムもXにて「それが一番やと思う。 これをキチンとした英文、相手にわかるように、伝えて欲しい」とフォローした。
　海人はSBだけでなく他団体のRISEやノックアウトでもベルトを獲得してきたSBのエース。2022年の「THE MATCH」では「ONE 172」で“ムエタイ最強”の評価を持つタワンチャイをTKOする大番狂わせを演じてONEフェザー級キックボクシング暫定王者のベルトを手にした野杁正明にも判定勝利している。
　その海人とグレゴリアンのフェザー級キックボクシングマッチは注目の好カードだったが、前日22日の午前10時から午後13時の間に設定されたハイドレーションテストと計量にパスできなかった。1時間遅れで計量会場に現れ、ハイドレーションテストはクリアしたが、体重はリミットの155ポンド（70.30キロ）を約350グラムオーバーしていたため、この試合は成立しなかった。グレゴリアンのファイトマネーの20％以上を没収して、海人側のファイトマネーにプラスすることを条件にキャッチウエイトによる試合敢行が、協議されたが、海人陣営は時間内に現れなかったグレゴリアンの姿勢と、1時間後にクリアしたとされるハイドレーションテストに疑念が残ったこと、ONEの運営サイドとのやりとりに不信感を抱いたことなどを理由にキャッチウエイトによる対戦に合意せず試合は中止となった。
　すると大会後の会見でチャトリCEOが「恐れを持っているから戦わない道を選んだのではないかと考えられる。計量をオーバーしたのは、わずかな差。戦うチャンスはあった」「海人はファイトマネーも全部もらった。でも本当のファイターだったら（戦う）。これが5パウンド（2.27キロ）違いだったら（試合拒否も）OK、分かる。でも300グラムだけ」と海人を批判。団体の最高トップが、階級制の競技の大原則であるルールの存在を無視するような暴言を展開したのである。
　海人及び所属ジムが猛反発。SNSなどでも批判が殺到したため、チャトリCEOは、発言の撤回と謝罪を行ったが、まだ矛盾点が残り「TEAM　F.O.D」は、Xにていくつかの問題点を指摘した上で「海人に直接謝罪して、頭を下げろ！ そして1番大事な事をすり替えるな」と怒りの投稿をしていた。
　その騒動の中で、海人が投じた「リングで決着つけよう」の呼びかけに、SNSでは、3つ巴の賛否が飛び交う異常事態となった。