
角田裕毅のレッドブル昇格を元F1ドライバーが猛批判「わずか2戦でローソンの精神を打ち砕いたのはいじめやパニックに近い行動」フェルスタッペンが「いいね!」同調もその後取り消す
F1の日本GP(4月4日ー6日)を前にレッドブルに角田裕毅(24)が姉妹チームのレーシングブルズから緊急昇格、同時に同チームにリアム・ローソン(23、ニュージーランド)が降格した問題の波紋が広がっている。元F1レーサーのギド・ヴァン・デル・ガルデ氏(39、オランダ)がレッドブルの判断を猛烈に批判。その意見に角田とコンビを組む王者マックス・フェルスタッペン(27、オランダ)が同調して不満を示唆するなど、異例の早期交代はハレーションを生んでいる。
失意のローソンはインスタで心境を明かす
非情の降格を告げられてから一夜明けて、渦中のローソンが沈黙を破った。
自身のインスタグラムを更新し、幼いころの自分の写真と、当時描いた自身がF1ドライバーになっている可愛らしい絵を投稿。そのうえで、開幕からわずか2戦でレッドブルのシートを失った心境を初めて綴った。
「レッドブル・レーシングのドライバーになるのが子どものころからの夢であり、僕は生涯をかけて努力してきました。厳しい道のりでしたが、ここまで導いてくれたすべてに感謝しています。僕を支えてくれたみなさん、本当にありがとう」
さらに角田と入れ替わる形で再び所属するレッドブルの姉妹チーム、レーシングブルズへも「温かい歓迎をありがとう」とメッセージを送った。
「大好きな場所で働くのが楽しみでしょうがない。いまからワクワクしているよ」
ローソン自身はレッドブルへ昇格し、夢をかなえてからわずか99日で告げられた降格を悲観していないし、不満も表明していない。それでも開幕戦のオーストラリアGP、第2戦の中国GPをともにポイントなしで終えたローソンが、今シーズンのマシン、RB21を乗りこなせるレベルに達していないと冷徹に判断したレッドブルへ、ファンだけでなくパドック関係者からも続々と批判が寄せられている。
オランダ出身の元F1ドライバー、ギド・ヴァン・デル・ガルデ氏は、自身のインスタグラムでレッドブルを痛烈に批判した。
「私は『F1はパフォーマンスの面で最も過酷なスポーツであり、結果を出せなかった場合にはその代償を支払わなければならない』というコメントに、少しうんざりしている。リアムがいまのレベルに到達するために、どれだけの献身、努力を積み重ねてきたかを忘れてはならない。尋常ではないプレッシャーとも戦うなかで、彼らはリアムに2戦を与えただけで、彼の精神を打ち砕いた。これはスポーツの観点に立った判断というよりも、いじめやパニックに近い行動だと個人的には思っている」
ギド・ヴァン・デル・ガルデ氏は、2006年からF1に参戦し、2013年からケータハムのレギュラードライバーに昇格したが、最高位はハンガリーGPの14位に終わり、2015年を最後にはF1からスポーツカーレースへと転身したドライバーだ。
そしてこの投稿の直後に驚くべき事態が起こった。
レッドブルが拠点を置く英国の高級紙『The Telegraph』はこう伝えている。
「非常に興味深いのは、ギド・ヴァン・デル・ガルデ氏の投稿に同胞のマックス・フェルスタッペンが『いいね』を押した点だ。その後に『いいね』は取り消されたようだが、契約が満了する2028年よりも前にフェルスタッペンが移籍を模索している、という憶測が根強く残るなかで、エースドライバーが取った行動はミルトンキーンズを拠点とするチームとの関係にさらなる疑問を投げかけている」