
角田裕毅のレッドブル昇格を元F1ドライバーが猛批判「わずか2戦でローソンの精神を打ち砕いたのはいじめやパニックに近い行動」フェルスタッペンが「いいね!」同調もその後取り消す
5年連続のドライバーズ王者を目指すフェルスタッペンが、ローソンに時間を与えるべきだとチーム側へ伝えていた要望が結果的に却下され、不満を募らせている可能性があると27日の段階で報じられていた。そして、インスタグラム上でのやり取りを介して、フェルスタッペンの本心が図らずも明らかになった。
しかも、レッドブル側もフェルスタッペンが抱く不満をすでに把握していた。英国の日刊タブロイド紙『The Mirror』は、レッドブルの若手ドライバープログラムの責任者を務めるヘルムート・マルコ顧問(81)のコメントを報じている。
「マックスが不満を抱いているのはわかっている。しかし、レースをより戦略的に戦うためにも、我々にはフロントローに2台のマシンが必要だ。コンストラクターズ王者を獲得するだけでなく、マックスが5年連続5度目のドライバーズ王者を獲得するためにも。そして、我々はユウキの経験と好調ぶりを利用できる。非常に重要であり、マックスを含めて、最終的にはこれがチームの利益につながる」
マルコ顧問のコメントから伝わってくるのは、ローソンの昇格は時期尚早だったという反省に立ち、ドライバーズ王座をキープするとともに、昨年失ったコンストラクターズ(車体製造者部門)王者を奪回するうえでの戦略の見直しだった。
実際に中国GP決勝が行われた23日を境に、レーシングブルズで好調ぶりをアピールしていた角田のレッドブル昇格が、欧米のメディアで断定的に報じられはじめた。同時にジュニアカテゴリー時代からライバル関係にあった角田とローソンの間に険悪な空気が漂いはじめたと英国の大衆紙『THE Sun』が指摘している。
「正式発表を前にして、昇格の可能性を問われた角田は『僕のマシンは100%速くなると思う』と笑顔で語っていた。これに対して、ローソンは『彼は好き勝手に言っていればいい』とやや苛立った口調で言い放ち、さらに『以前は違っていたかもしれないが、いまは僕の時代だ』と続けた。実際に角田とローソンのシートが入れ替わったいま、2人の間の空気はさらに気まずいものになるだろう」
レッドブルへ向けられるさまざまな批判は、レーシングブルズに降格したローソンへのエールと表裏一体となる。たとえば先述のヴァン・デル・ガルデ氏は、レッドブル批判を展開したインスタグラムの最後をこう締めている。
「日本GPでのグリッドに到達する強さと勇気が、リアムにあると願っている。自分を信じ、頭を上げて、彼ら(レッドブル)が間違っていたと証明してほしい」
絶対王者のフェルスタッペンから不満を向けられ、操作が難しいRB21へ適応する時間もほとんどない。4月4日に鈴鹿サーキットで開幕する日本GPで、日本人ドライバーとしてF1の歴史上で初めて王座を争うトップチームから参戦する角田は、これらの声を結果で封じこめることができるのだろうか。