
阪神連勝も藤川監督の石井大智を回跨ぎ起用した異例の“勝負采配”がSNSで物議!…「見事な采配」「シーズン始まったばかりで酷使はやめてもらいたい」「桐敷に何かあった?」
スポーツ各紙の報道によると、藤川監督は桐敷ではなく石井を回跨ぎさせたハッキリとした意図は明かさず、「打つべき選手が打った試合は取らないといけない。4番が打っている。大切にしないといけない」という説明をしたという。
そこには何が何でも勝利にこだわった本音がチラつく。
実は、石井の回跨ぎには、伏線があった。
藤川監督が繰り出したもうひとつの勝負手が空回りしたことで、7回に“しわ寄せ”がきていたのである。
5回だ。木浪のタイムリーで同点に追いつき、なお二死一塁で、4回を5安打1失点に抑え、まだ64球しか投げていなかった富田に代打を送ったのだ。しかし新外国人のヘルナンデスは三振。さらに5回から育成ドラフト1位の工藤を送り込んだが、初登板の緊張もあってか、二死一塁から矢野、小園、モンテロに3連続で四球を与え、痛恨の押し出しで逆転を許してしまう。なおも満塁で左の秋山を迎えたところで藤川監督は、左腕の及川にスイッチ。及川は、期待に応えて三振に斬り、それ以上、傷口は広げなかった。だが、藤川監督の最初の勝負手は空振りに終わり富田を4回で下ろし工藤、及川の2人を5回に投入した“しわ寄せ”が6、7回にきたのである。
昨年は中継ぎで33試合に登板して防御率0.76の結果を残した3年目の富田に先発のチャンスを与えるのであれば、それなりの我慢も必要だっただろう。シーズンを通じて、ローテーを守れるかどうか未知数の左腕だけに、先を見据えて、5回の責任回数を任せてもよかったのかもしれない。
その窮地を救ったのが、新4番に指名した森下だった。6回二死二塁から床田がインコースへ投じたストレートを一閃。レフトスタンドの中段付近にある「中国電力」の看板にぶつけた。今季1号が価値ある逆転の2ランとなった。
「床田投手が非常にインコースにコントロールよく投げ込んでくるピッチャーなので、ある程度そこのところは頭にあった。思い切って行くことができてよかった」
読み通り。そして4番としての心得もあった。
「チャンスで(打順が)来ることを想定しながら常に練習からネクストからやっていた。想定内のことが起きたので後は自分のバッテングをするだけかなと思って打席に入った」
頼もしくなった4番の一発を無駄にするわけにはいかない。森下を4番に据えた指揮官の思いは痛いほどわかる。
開幕第2戦での「明日なき采配」に疑問符はつく。監督1年目。当然のことながらその采配に経験不足からくる“青さ”を感じる。だが、一方で藤川監督に優勝する指揮官には必須の“勝負師の匂い”が漂ってることも確か。
それでも勝った。「勝利の中での教訓こそが次に生きる」と、“名将”野村克也氏は話していた。異例の采配が正解だったか、間違いだったか、の答え合わせは、シーズンの後に判明するだろう。