
レッドブル幹部が「角田裕毅のシートは今季終了まで安全だ」と“公約”…緊急昇格の裏で極秘のシミュレーターセッションが行われ「ユウキは過去との違いを証明した」
F1の日本GP(4月4日-6日、鈴鹿サーキット)を前に姉妹チームのレーシングブルズからレッドブルへ緊急昇格した角田裕毅(24)について、レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコ氏(81)が「今シーズンが終わるまでユウキのシートは安全だ」と明言した。英国のモータースポーツ専門メディア『AUTOSPORT』が29日に報じたもの。わずか2戦で降格したリアム・ローソン(23、ニュージーランド)の二の舞にならないことを約束したもので角田にとってはプレッシャーを和らげる頼もしい発言になった。また同氏は角田を緊急昇格させた裏に極秘の綿密な準備があったことも明かしている。
角田に頼もしいバックアップ発言がもたらされた。
不振にあえぐローソンと入れ替わる形でレーシングブルズから緊急昇格したものの、わずか2戦で判断を下したレッドブルのやり方に角田もまた結果が出なければ、すぐに降格させらるのでは?との疑問があった。実際、レーシングブルズには、新人ドライバー、アイザック・ハジャー(20、フランス)という角田の代わりになる次なる候補もいる。
だが、レッドブルの若手ドライバープログラムの責任者を務めるモータースポーツアドバイザーのマルコ氏が、英国のモータースポーツ専門メディア『AUTOSPORT』の取材に応じて、こう断言した。
「今シーズンが終わるまで、ユウキのシートは安全だ」
4日開幕の日本GPから慣れないマシンで勝負することになる角田にとって、この約束は、プレッシャーを和らげることになるだろう。
レッドブルは昨年12月に、6度のGP優勝経験がありながら不振が続いていたセカンドドライバー、セルジオ・ペレス(35、メキシコ)との契約を解除。後任に角田らが候補にあがっていたなかで、2023年の途中からF1に参戦していたローソンを、経験不足を承知のうえでレーシングブルズから昇格させた。
マルコ氏は当時の判断と角田との早期交代に踏み切った理由をこう説明した。
「ユウキは非常に速いドライバーだ。それはわかっていたものの、彼は浮き沈みが非常に激しかった。昨年10月のメキシコGPにおける2度のクラッシュに象徴されるように、いまほど安定した走りを見せていなかった。だからこそ、私たちはペレスの後任として、ユウキよりも優れていると判断したローソンを選んだ。しかし、今シーズンのユウキは変貌を遂げた。レースに対するマネジメントも変えた。F1に参戦して5年目のユウキは、これまでも『自分こそがレッドブル・レーシングにふさわしいドライバーだ』と繰り返しアピールしてきた。ここまでの経緯と彼の非常に強い個性を認め、受け入れる判断こそが私たちが直面している現状における最善の選択だった」