
「センバツ高校野球で存在感を示した9人のドラフト逸材」元ヤクルト編成部長のノムさん“参謀”が選ぶ
2007年夏の佐藤由規(仙台育英)と2013年夏の安楽智大(済美)に並ぶ155キロを出した花巻東高戦では2ニングを投げ球速アベレージは153キロだった。
「ストレートの球質という点で石垣と対照的だった」のが、東洋大姫路の右腕、木下鷹大だ。1m72と上背はないが、1回戦の壱岐戦では、2回からマウンドに上がり最速147キロをマークして、8イニングで9奪三振の2安打無失点。2回戦の広島商戦では、6失点と崩れたが「伸びて来る球質で球筋がいい」と松井氏。
横浜の決勝の相手、智弁和歌山にもリストアップしたドラフト候補がいる。メジャー流の強打の2番打者として三塁を守る奥雄大だ。1m88、82kgの大型左打者で、今大会はマウンドに上がっていないが、投手としても143キロを投げる。今大会は、4試合で打率.286、3打点。本塁打はない。
「大型のわりに身のこなしがよく、長打力の魅力に加えて50mを6秒1で走るスピードも持つ。急造だという三塁の守備はまだまだだが、投手をするだけあって肩は抜群。素材としてプロは放っておかないだろう。夏に向けてブレイクすれば上位指名の可能性もあるのでは」
松井氏は「今大会は内野手の好素材が揃った」と評価していて、敦賀気比の岡部飛雄馬、天理の赤埴幸輝の2人のショート、エナジックスポーツのセカンド、イーマン琉海の左打者3人をリストアップした。
「ショートで目立ったのは岡部。胴長短足で1m65、65キロの小柄だが、打球に対するスタートや、入り方が柔らかく、肩はいいだけでなくコントロールがいい。1番打者で足も速い。ヒットは出なかったが守備からチャンスがつかめる。対照的な大型ショートが赤埴。パンチ力に加えて広角に打てる。守備ではカットプレーに入る位置や動きにセンスを感じさせた。その潜在能力は魅力」
岡部も赤埴も今大会ではヒットを打てずに甲子園を去ったが、対照的に打率8割と“打ち出の小槌”状態でヒットを量産して注目を集めたのがイーマン琉海だ。
「イーマンも1m64と小柄だが、2試合で8本のヒットは簡単に打てない。右肩が開かないのでミート力が高い。足も速く瞬発力がある。機敏に動けて面白い素材」