
「佐々木朗希は今すぐスターになれないが…」米メディアが指摘した大乱調の4つの論点…ロバーツ監督に登板後ベンチ裏から引き戻されたこと、制球難、3キロ低下の平均球速、スプリット不調
ドジャースの佐々木朗希(23)が29日(日本時間30日)本拠地ドジャースタジアムでのタイガース戦に米国初先発したが、押し出しを含む4四球の大乱調で2点を失い2回持たず61球で降板した。その後、逆転して開幕5連勝を飾ったこともあり、デーブ・ロバーツ監督(52)は「まだ成長プロセス」とかばったが、米メディアは、2試合で佐々木が結果を出せない理由を4つの論点で分析して厳しい評価を下した。
1964年以来ドジャース史上2番目のワースト記録
令和の怪物はまたしても自滅した。
東京ドームでのカブス戦から制御に苦しんだスプリットに変えてスライダーを多くしたが、その立ち上がりに2本のヒットを許して二死一、二塁となったところで5番のコルト・キースに四球を与えて満塁となった。マヌエル・マルゴーはボテボテのゴロに打ち取ったが、不運にもファウルラインギリギリでボールが制止して佐々木はどこへも投げれず先制点を失うと、続くトレイ・スウィーニーには押し出しの四球。2点を失い初回だけで41球を要した。
2回も、先頭打者を四球で出塁させ、暴投も手伝い、二死二塁となって3番のスペンサー・トーケルソンに4つ目の四球を与えたところでロバーツ監督がマウンドにやって来て交代を告げた。
だがここで問題が起きた。メジャーでは降板する投手が監督にボールを手渡すのが常識だが、佐々木はよほどショックだったのか、ボールを監督に渡すことなくボールボーイに渡してしまったのだ。さらにベンチに帰ると、走者を残していたにもかかわらず、2番手のジャック・ドレーヤーの投球を見ずにベンチ裏へ引っ込んだ。それを見たロバーツ監督が佐々木を追いかけてベンチに連れ戻した。佐々木は最前列で目を真っ赤にして涙を浮かべながら、2番手のドレーヤーが三振でピンチを切り抜ける姿を見守り、拍手をしてベンチでハイタッチした。
ドジャースの地元2大紙はこのシーンを問題視して取り上げた。
オレンジカウンティレジスター紙は「佐々木は、ロバーツ監督が彼を降板させるためマウンドに出てきたとき、ボールを渡さず、ダグアウトに戻るとトンネルを下ってクラブハウスに向かった。ロバーツ監督は『ちょっとした会話をするため』にベンチに呼び戻した。佐々木が2試合連続の残念なパフォーマンスに感情的に反応していることに気づいていた」と紹介。
ロバーツ監督の「彼はいいパフォーマンスをしたいんだ。彼は成功しか知らない。だから彼は動揺し、失望していた。しかし、プロとして仕事に戻らなければならない。先発投手が2回も悪い投球をしたのはこれが初めてではないはず。すべてが学習曲線なんだ」と佐々木をかばうコメントを記載した。
ロサンゼルスタイムズ紙も、「佐々木は明らかにショックを受け、ロバーツ監督にボールを渡さずにマウンドを去った。『それは無礼なことではなかった。彼は私の言葉を聞こうとしてそうなったんだ』とロバーツ監督は言った。佐々木は、クラブハウスに通じる階段を急いで降り、ロバーツ監督にベンチに戻るように促された。日本のテレビの放送では、目を赤くして試合を観戦している佐々木の映像が放映された。佐々木は、泣いていないし、涙をこらえていたわけではない、と佐々木はこれらを否定した」と、このシーンを取り上げた。
地元メディアはこのシーンを佐々木が負った精神的ダメージの象徴として取り上げたのだ。