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レッドブル昇格決定後初めて角田裕毅が肉声を届ける(Getty Images / Red Bull Content Pool)
レッドブル昇格決定後初めて角田裕毅が肉声を届ける(Getty Images / Red Bull Content Pool)

F1角田裕毅がレッドブル昇格後初の肉声「期待値を上げたくないが鈴鹿の表彰台に乗りたい」…英専門メディアは「日本GPは毒入りの盃かも」と懸念も

 F1レッドブルの角田裕毅(24)が30日、都内で行われたイベントに登場し、姉妹チームのレーシングブルズから緊急昇格後で初めてファンの前に姿を現した。トップチームの一員として臨む日本GP(4月4日-6日、鈴鹿サーキット)へ「あまり期待値は上げたくないけど、表彰台に乗りたい」と目標を掲げた角田へ、英国のモータースポーツ専門メディア『AUTOSPORT』は、操作が難しいレッドブルのマシンRB21をあげて「日本でのデビュー戦は、毒入りの盃といえるかもしれない」と厳しい見解を伝えた。

 最初の連絡で「これは面白くなるな」と

 F1のトップチームの一角、レッドブルへの緊急昇格が決まってから3日。母国開催の日本GPへ向けて帰国していた角田が、初めて公の場に姿を現した。
 ホンダ本社ビルの建て替えに伴い、東京・港区内で開催された「ウエルカムプラザ青山グランドフィナーレ」のトークイベントに登場。そこで移籍報告も行った。
 英国のモータースポーツ専門メディア『AUTOSPORT』によると、集まった約400人のファンへ向けて、角田は自身をサポートしてきたホンダの名前をあげながら、晴れやかな表情で第一声を届けている。
「僕としてもまさか日本GPで、いきなりレッドブル・レーシングで走れるとは思ってもいなかった。ホンダ(とレッドブル)の最終年というタイミングですべてがかみ合って、いまは本当にいい状態でここに立てていると思う」
 23日に行われた中国GP決勝を境に、2戦を終えて獲得ポイントなしのリアム・ローソン(23、ニュージーランド)と、姉妹チームのレーシングブルズで果敢なレースを見せていた角田との入れ替えを、レッドブルが正式発表したのは27日。
レッドブルへの昇格が決まった瞬間の率直な心境を、角田はこう語っている。
「最初に(連絡が)きたときは『おぉ、これは面白くなるな』と。一番楽しみなのは、これ以上のプレッシャーとチャレンジングなシチュエーションは多分、人生でもないこと。(レッドブルでの)デビュー戦も重なったなかで、とてつもなくエキサイティングなレースになるんじゃないかと思いました」
 喜びと同時に懸念も頭をもたげた。
 今シーズンのレッドブルのマシンRB21は、5年連続のドライバーズ王者獲得を狙う絶対的なエース、マックス・フェルスタッペン(27、オランダ)仕様で開発・調整が行われた。フェルスタッペン以外には操作が極めて難しいとされるマシンを、今シーズンから昇格したローソンもうまく扱えなかった。
 レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコ氏(81)は、開幕2戦を終えたローソンの状態をこう語っていた。
「まるでボロボロになったボクサーのように、リアムは負のスパイラルに陥った」
 ローソンと同じ図式が、角田にもあてはまりかねない。
 レーシングブルズで参戦しながら、レッドブルのリザーブドライバーにも名を連ねていた角田は、開幕前にRB21のシートフィッティングを行っていた。もっとも「どうせ走らないのに」と思い、適当に合わせてしまったと打ち明けた。
「一回だけ座って『じゃあ、これでいいよ』と。実際に(昇格)が決まったときには、あのシートを使うのかと思って、ちょっと焦ってしまいました。今回は真剣に取り組んで、いいシートを作れたと思います。シートは自信があります」
 中国GPを終えてから、レッドブルがファクトリーを置く英国ミルトンキーンズでRB21のシートフィッティングを行い、2日間にわたるシミュレーターセッション(疑似運転体験装置)も済ませてから帰国した。

 

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