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井上尚弥が中谷潤人に来春東京ドームでの対戦をサプライズ要求(写真・山口裕朗)
井上尚弥が中谷潤人に来春東京ドームでの対戦をサプライズ要求(写真・山口裕朗)

なぜ井上尚弥は中谷潤人に大橋会長も「聞いていなかった」サプライズで「来春東京ドーム」公開対戦要求をしたのか…リーダーの自覚とボクシング界を盛り上げるための壮大なドラマ作り

 中谷のベルトは、まだWBCのひとつだけ。2月に無敗の同級6位のダビド・クエジャル(メキシコ)を3回にキャンバスに沈めたが、世界で名のある選手ではなかった。昨年2月に6回TKOで倒して、WBC王座を獲得したアレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)は、井上と2度戦った元5階級制覇王者のノニト・ドネア(フィリピン)に勝った危険な相手だったが、まだ超トップレベルとの対戦機会には恵まれていない。
 改めてその発言の真意を井上に聞くと、「自分も含めて戦う日までお互いがベストを尽くして価値を高めていこうと。“誰と戦え、ベルトを4つ揃えろ”とか、そういうことじゃない」と、明かした。
 その井上の発言を中谷に伝えると「2025年に より成長しないといけない。1戦1戦、井上選手との戦いを周りが期待してもらえるようなファイトをしていくのが僕のできること。ノックアウトするシーンもそう。対戦相手、統一戦。より興味が盛り上がるファイトが必要」とし、「(井上戦前に)スーパーバンタム級での試合を挟んだ方がベストな形で井上選手と戦えると思っている。インパクトのある勝ち方をしていかなくちゃいけない」と、来春に待ち受けるビッグマッチまでの1年間をイメージした。
 中谷がターゲットに絞るのが、2月の防衛戦後のリングでエールを交換したIBF世界同級王者の西田凌佑(六島)との統一戦。6月にAmazonプライムビデオの興行が用意されているが、西田には、IBFから指名試合の指令があり、そこで西田との統一戦が実現するか、他の相手になるかは「流動的」という。
 そして「僕も今年(井上選手と同じ)4試合を戦いたい」とぶちあげた。
 井上は、5月4日に米ラスベガスの“聖地”T-モバイルアリーナでWBA2位の「地獄のパンチを持つ男」の異名を持つラモン・カルデナス(米国)と対戦することが正式発表されている。それをクリアすると、9月14日に日本で、挑発を続けているWBA暫定王者で元WBA&IBF王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)とのWBAの統一戦があり、12月にはサウジアラビアでWBA世界フェザー級王者、ニック・ボール(英国)との5階級制覇挑戦マッチが控えている。
 井上が中谷へのメッセージを込めて言う。
「お互いがベストをだして、今年をしっかりした形で乗り越えることができれば、きっと、この日本ボクシング史上一番盛り上がる日本人対決になる。自分自身にも期待して彼にも期待して今年1年を過ごしたい」
 2人が勝ち続ければ来春の東京ドームで拳を交えることになる。ボクシングファンにとって“たまらない1年”になりそうだ。

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