
「佐々木朗希はマイナーで出直す方が理にかなっている」大乱調の全米デビュー戦失敗に米ESPNベテランアナリストとコメンテーターが緊急提言
ドジャースの佐々木朗希(23)がタイガース戦(29日・ドジャースタジアム)で、押し出しを含む4四球の大乱調で2点を失い、2回持たず61球で降板し全米デビューに失敗した問題が波紋を広げている。米ポッドキャスト番組「Baseball Tonight with Buster Olney」に出演したESPNのレギュラーアナリストのバスター・オニール氏(61)とESPNの実況をおこなうプレーコメンテーターのカール・ラベッチ氏(60)が「マイナーから出直すべき方が理にかなっている」と提言した。
ドジャースが何をすべきかの結論は容易
大乱調に終わった佐々木の全米デビュー戦の波紋が広がっている。それだけ注目を浴びている大型ルーキーであることの裏返しだろう。米ポッドキャスト番組「Baseball Tonight with Buster Olney」に出演した2人のジャーナリストが「マイナー行き」を提言した。
ESPNのレギュラーアナリストのオニール氏は、こう述べた。
「ドジャースは層の厚さから見て、これまで見てきた中でベストチームとなっている。佐々木をすぐにマイナーリーグで見ることになっても驚きとはならないだろう。佐々木は信じられない才能を持っているが、先発2試合で投げた4回2/3で9人を歩かせて、117球でストライクは57球のみとなると、ドジャースにとって何をすべきかの決断は容易なものとなるだろう」
佐々木は東京シリーズでのカブス戦に続きタイガース戦でもコントロールが定まらなかった。まだいっこうに制御できないスプリットに変えてスライダーを多く使ったが、押し出しの四球を含む、4四球の大乱調で、2回二死からタイガースの3番打者に四球を与えたところでデーブ・ロバーツ監督に交代を告げられた。
ショックのあまりメジャーでは常識の交代時に監督にボールを手渡すこともせず、ベンチに帰るとすぐにロッカーへ引っ込み、ロバーツ監督にベンチへ引き戻された。佐々木は目に涙を浮かべながら、自らが作ったピンチを無失点に切り抜けた2番手のジャック・ドレーヤーの投球を見守った。61球を投じてストライクは32球。カブス戦では最速161.7キロをマークしたストレートもタイガース戦の最速は155.9キロ。平均球速は3キロも低下していた。
オニール氏はこう続けた。
「彼がオフに各球団と交渉した際に出した質問の一つに、“昨年の速球のスピードが落ちた理由をデータで分析して欲しい”というものだった。彼は何かしらの問題があることを分かっているようだった。開幕してすぐのカブス戦で今後はコントロールの問題が示された。昨夜はストライクを取るのに苦労した。ドジャースはどのような判断を下すべきか」
ロッテからポスティングによるメジャー移籍を表明した際に、20球団以上が獲得に乗り出したが、その際「昨年速球の球速が落ちた原因はなぜか?」との宿題を各球団に出していた。そこにオニール氏は、そもそもメジャー移籍前から何かの問題があったのでは?との疑問を抱く。
佐々木はタイガース戦後にこうコメントした。
「技術的なところでコントロールしきれなかった。ストレートも、フォークも、スライダーがかろうじて少しよかったくらいで、それ以外は全体的にスピードもコントロールもよくなかった。特に変な緊張もなく挑めてはいたが、自分の技術不足」
本人も投球フォームに問題を感じている。そうであれば、試合で結果を出さねばならないメジャーではなく、マイナーでフォーム固めをするのもひとつの手段だろう。佐々木自身も理想と現実の狭間で苦しんていることを打ち明けている。
またESPNでの実況とコメンテーターを担当しているラベッチ氏も「マイナー行き」に同調した。
「ドジャースはこれまでで最高のチームとなっている。故障者がいてもこれだけのスーパースターを揃えて作り上げることができたチームを見たことがない。90年代のヤンキースなどもとても優れたチームで信じられない選手が揃っていて、こうした素晴らしいチームはこれまでもあったが、選手たちが揃って大谷もいるこのチームには違いがある」