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中日の井上監督の采配がズバズバ的中(資料写真・黒田史夫)
中日の井上監督の采配がズバズバ的中(資料写真・黒田史夫)

「なんで4番にバントをさせちゃダメなの?」中日が井上監督の“神采配”で巨人の連勝をストップ…「ヤバイ。アウトやろ?でまさかのプレー」直後にセーフティースクイズ

 巨人の連勝を止めたのは中日だった。中日は1日、バンテリンドームで行われた巨人との今季初戦に3-2で勝利した。井上一樹監督(53)の采配がズバズバ的中。代走の上林誠知(29)の神走塁でチャンスを広げた7回にセーフティースクイズで勝ち越し点を奪い、8回には4番の石川昂弥(23)に2球続けてバントを命じ、失敗に終わったが、指揮官の意図をくんだ石川が内野安打でつなぎ追加点につなげた。また7回に送り出した岩嵜翔(35)が4年ぶりの白星を手にするなど、立浪和義氏(55)の監督時代とは一味違う野球でG倒を果たした。

 代走上林が神の手タッチ

 

 井上監督の采配がズバズバ的中した。
 1-1で迎えた7回だ。好投を続けていた井上温大から先頭の中田がレフト線を破る二塁打で出塁すると、井上監督は代走に上林を送った。「勝負をかけた意味合いで上林を出した」
 続く村松にはバントのサイン。しかしそのバントは井上の正面を突き、三塁へ送られた送球のタイミングは完全にアウト。だが、上林はヘッドスライディングを敢行して、中山のタッチの合間を狙って手を伸ばした。塁審は、「空タッチ」を示すかのように手をグルグル回すジェスチャーでセーフのジャッジ。阿部監督はリクエストを申告したが、判定は変わらなかった。
「誰もがヤバイ。アウトだと思ったところで、まさかのプレーができる。上林のスライディング様様です」
 井上監督が絶賛したプレーが流れを変えた。
 続く木下の初球にセーフティースクイズ。上林のセーフに動揺した巨人バッテリーはまったくのノーケアだった。木下は一塁側に綺麗に転がして上林が勝ち越しのホームを駆け抜けた。
 インスピレーションで初球を選択したという井上監督は、チームの裏事情をこう説明した。
「常々そういった話をしている。『なんのサインがでても大丈夫でしょうね』と、コミュニケーションを取っている。一発で決めてくれた」
 沖縄キャンプで井上監督は積極的に選手と対話していた。
 明るく元気な“コミュ力”で、3年連続で最下位に沈んだチームの能力を最大限に引き出したいと考えていた。前監督の立浪氏は、名球会入りを果たしている“ミスタードラゴンズ”。選手からは近づき難い存在だったが、その溝を井上監督は、得意の“コミュ力”で埋めようとしていた。
 そして8回にも驚きの采配を振るう。
 巨人の2番手バルドナードから山本、細川が連続四球を選び無死一、二塁のチャンスをつかむと、開幕から4試合連続で4番を任せた石川にバントのサインを送ったのだ。1球目はファウル。2球目に続けてバントのサインを送ったが、投球がボールになると、そこでサインをヒッティングに切り替えた。何が何でも1点を取るーー監督の意図が石川に伝わったのだろう。石川が食らいついた打球はバルドナードのグラブを弾き、内野安打となった。無死満塁としてカリステがライトへ大きな犠牲フライ。9回に新守護神の松山が二死から中山、門脇、代打大城に3連打を許して1点を返されたことを考えると、大きな追加点だった。

 

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