
レッドブルが角田裕毅に「できる限りフェルスタッペンに近い順位でフィニッシュせよ」の過酷なノルマを突きつける…来季の残留条件はラップを0.3秒以内に留めること
レッドブルの若手ドライバー育成プログラムの責任者を務めるモータースポーツアドバイザーのヘルムート・マルコ氏が、英国のモータースポーツ専門メディア『AUTOSPORT』の取材に応え、「今シーズンが終わるまで、ユウキのシートは安泰だ」と発言。わずか2レースでローソンを降格させたことで懸念された「角田も結果次第ですぐに交代するのでは?」という雑音を封じこめた。
だが、来季の続投の話となるとそれは別。
では、0.3秒以内というラップタイムは、どのようなノルマとなるのか。
F1の平均速度は時速230キロで、秒速に換算すれば約64メートル。0.3秒では19メートルあまりの差がつく。5シーズン連続のドライバーズ王座を狙う絶対的な存在、フェルスタッペンに1周あたりでつけられる差をこれらの数字内にとどめながら、日本GPでは53周となる決勝をフィニッシュする展開を意味する。
開幕戦のオーストラリアGP決勝の最速ラップタイムを振り返れば、2位に入ったフェルスタッペンは1分23秒081だった。セカンドドライバーのローソンは、フェルスタッペンを0.111秒上回りながらもクラッシュで途中リタイア。姉妹チームのレーシングブルズから参戦し、12位に入った角田の最速ラップは1秒113差の1分24秒194だった。
第2戦の中国GPの最速ラップタイムは、4位のフェルスタッペンが1分35秒488。失格が続出して12位に繰り上がったローソンは0秒497差の1分35秒985であり、チーム側の戦略ミスなどもあって、完走した16台で16位に終わった角田は、0秒383差の1分35秒871だった。
あくまでも最速ラップタイムの比較となるが、それでもローソンは中国GPを終えた時点で今シーズンのマシン、RB21を乗りこなせていないと判断されてレーシングブルズへの降格。代わりに緊急昇格した角田にとっても、RB21に適応する時間の少なさを考えれば、0.3秒差以内は、かなり高いハードルといわざるをえない。
不振を理由に昨シーズン限りで解任されたセルジオ・ペレス(35、メキシコ)を例にあげれば、0.3秒差以内という数字が意味するものがわかる。
ペレスはレッドブルに加入して2年目の2022シーズンにモナコ、シンガポール両GPで優勝。ドライバーズランキングでも当時の自己最高を更新する3位に入ったが、フェルスタッペンとの0.3秒差以内をほとんどクリアできなかった。
フェルスタッペンの順位に近づき、そしてフェルスタッペンとの0.3秒差以内をクリアするという厳しい難題を突き付けられたが、角田にプレッシャーはない。むしろ望むところだろう。
角田は自身の公式Xを5日ぶりに更新。日本GPの公式アンバサダーを務める歌舞伎役者の市川團十郎さんが監修した、隈取や仁王襷をあしらった自身が着用する特製ヘルメットの写真を投稿したうえでこう綴った。
「歌舞伎!!」
注目の日本GPは4日に開幕。計3回のフリー走行と5日午後の予選を経て6日に決勝が行われる。