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巨人の田中将大が移籍初登板で1年7か月ぶりの勝利。日米通算198勝利となった(資料写真・黒田史夫)
巨人の田中将大が移籍初登板で1年7か月ぶりの勝利。日米通算198勝利となった(資料写真・黒田史夫)

なぜ巨人のマー君は5回1失点で586日ぶりの日米通算198勝をマークすることができたのか…「感謝しかない」甲斐拓也が幻惑のリードで引き出した新スタイルに見えた金字塔の可能性

 巨人の田中将大(36)が3日、バンテリンドームでの中日戦に楽天から移籍後初登板、苦しみながらも5回を5安打1失点に抑えて、チームは5-3で勝利し、楽天時代の2023年8月26日のソフトバンク戦以来586日ぶりとなる日米通算198勝目を手にした。最速149キロをマーク。甲斐拓也(32)の絶妙のリードに引っ張られて、ピンチを2つの併殺打で切り抜けるなど、投球術が冴えた。また幼馴染の坂本勇人(36)が今季初ヒットを含む2打点をあげて田中を援護。強力な中継ぎ陣もリードを守り切り田中の今季初勝利につなげた。

 「この1勝は特別」

 その瞬間、マー君は目の前で両手を叩きながら笑顔でベンチを飛び出した。5-3で迎えた9回、中日から移籍したマルティネスが最後の打者、上林をセカンドゴロに打ち取った。96球を投げて5回を5安打3四球1奪三振1失点に抑えていた田中が勝利投手。実に1年7か月ぶりの日米通算198勝目である。
 敵地でヒーローインタビューに呼ばれた田中は「嬉しいです」と素直な心境を口にして「本当に勝たせていただいたこの1勝、でも自分にとっても今日のこの1勝というのはものすごく特別ですし、本当にいろんな思いがあって、今日こうして勝つことができて本当に嬉しく思います」と、その勝利の重みを噛みしめた。
 2021年から鳴り物入りで通算78勝をあげたヤンキースから楽天に凱旋したが、3年連続で負け越すなど、思うように力を発揮できず、4年目の昨年は右肘のクリーニング手術の影響もあり、わずか1試合の登板、0勝に終わっていた。オフに突きつけられたのは野球協約で定められた減額制限を超える屈辱的なオファーと田中が「必要とされていない」と感じた石井シニアディレクターの言葉。
 田中は移籍先のあてもなく自由契約、退団の道を選び、その後、獲得に名乗りをあげる球団がない中で、巨人が救いの手を差し伸べた。その恩義に応えるには勝利という結果しかなかった。
「僕にとっても開幕ということで当然緊張もありましたけども、とにかく今自分にできるベストを尽くそうと思いました」
 そういう決意で上がった敵地でのマウンドでいきなり1回からピンチを迎えた。岡林、上林に連打を許し、細川には、146キロのストレートをセンターのフェンスギリギリのところまで飛ばされた。幸いにも中日ベンチはフルカウントから二塁走者の岡林にスタートを切らせていたため、タッチアップができず一死一、二塁塁で、4番の石川を迎えた。
 2球続けてカーブがワンバウンドになった。だが、甲斐は絶妙のブロッキングでプロテクターに当てて後ろへそらさない。3球目も低めのボールゾーンへのスライダー。このボールに石川は反応したが、カウントは3-0となった。外角のストレートでひとつストライクを取った後の勝負球。甲斐はインコースに構えた。147キロのツーシーム。詰まらされた石川はショートへの併殺打に倒れた。
 試合後、この場面について聞かれた田中は「5回まで本当にバックに守ってもらいましたし、キャッチャーの拓也を色々悩ませてしまったと思うんですが、しっかりと引っ張ってくれましたし、ワンバウンドも止めてくれました。本当に感謝しかないです」と振り返った。

 

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