
「天狗にならない」井上尚弥が過去最高のファイトマネーで「負けたら終わり」の覚悟で挑む5.4米ラスベガス決戦に向けて取り入れる「脳のスタミナ」トレってなんだ?
プロボクシングのスーパーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥(31、大橋)が5月4日に米国ラスベガスのT―モバイルアリーナでWBA同級1位のラモン・ラモン・カルデナス(29、米国)と戦う会見が5日、横浜市内で行われた。すでに米国側で発表されていたが、井上が正式に会見に臨んだ。ファイトマネーは過去最高。すでに3戦先までビッグな試合の計画が決まっていて「負けたら終わり」の覚悟もあるが、4日後に32歳となるモンスターは「脳のスタミナ」まで鍛える過酷なトレーニングを自らに課すという。なおこの試合は「Amazonプライムビデオ」で独占ライブ配信される。
ESPNでは全米でドジャースの大谷翔平からのリレー中継
「昔のボクシング界を考えると信じられない。想像のつかないところにいる」
60歳になる元世界王者の大橋秀行会長がしみじみと言った。
モンスターが米ラスベガスの“新聖地”T-モバイルアリーナでメインを張り、しかも、ライアン・ガルシア(米国)、デビン・ヘイニー(米国)という因縁の2人がニューヨークで揃い踏みし、サウジアラビアで4団体王者への復帰をかけたサウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)の戦いがあるメキシコの記念日「シンコ・デ・マヨ」ウィークのトリを井上が務めるのだ。
「4年ぶりとなるラスベガス。ワクワクしていますし、T-モバイルアリーナってことで、そこも楽しみ。“シンコ・デ・マヨ”という特別な日に試合ができる。日本でやっているパフォーマンスを力まずにやっていきたい」
大橋会長によるとファイトマネーは「過去最高のものを手にする」という。あくまでも推定だが、限りなく2桁に近い金額だと考えられる。ファン待望の米ラスベガスでインパクトを残せば、「どんどん上がる。そういう時期に入っている」(大橋会長)。井上は、昨年10月にサウジアラビアの「リヤドシーズン」と3年30億円の超おおがた契約を結んだが12月にそのサウジに乗り込んでWBA世界フェザー級王者のニック・ボール(英国)と対戦する際のファイトマネーは、1試合でその30億円を超える金額がオファーされているとも聞く。
さらに異例なのは、米再上陸の試合の結果も待つまでもなく、その先の予定が3試合も決定していることだ。
9月に日本でWBA暫定王者で挑発をし続けている元WBA&IBF同級王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)と戦い、12月にニック・ボール。そして来春には、東京ドームで3月31日の年間表彰式で井上がサプライズの公開対戦要求をしたWBC世界バンタム級王者、中谷潤人(M.T)とのスーパーマッチが控える。
「しかも、楽な試合じゃない。プレッシャーにも、モチベーションなる。普通の選手ではそこまで決められない。そこはプラスにとらえている」
井上は、そう不敵に笑った後に物騒なことを言う。
「負けたら終わり、その計画は。そうならないために気の抜けない戦いになる」
大橋会長がその過酷なプランを決めたのには理由がある。
「13年間見ているが、まだまだ伸びている。打たれていないのでダメージがないからね。まだピークじゃない。練習が真面目。これだけの結果を出して記録を作って天狗になってもおかしくないのにそれがない。そこが一番凄いこと。そこが(強さの)秘けつ」
その強さに疑いがないからだ。
「天狗にならない」謙虚さを持ち続け、向上心を失わないのは、父の真吾トレーナーが幼い頃から教え込んだ井上家のモットーでもある。
そしてこう続けた。
「ここまで(32歳)来たら、いつやめるとか、あと何試合とかという話になるが、本人は37歳まで(やる)という気持ちが凄い。ボクシングは大変。みんなに研究され、今の立場のまま、早く終わりたい(引退)とう気持ちにもなるだろうが、これっぽちもない、関心する。メンタルがすごい。試合の控室でも悲壮感がない。普通にサラリーマンが仕事いくようにリングにいく。そのハートがあるから強い」