
「傑出していた」菅野智之のメジャー初勝利の理由をハイド監督やチームメイトが明かす「すべての球種が自在に機能」「ストライク先行の投球で守りやすい」
ストライク率は66%(89球中59球)。球種の配分はスプリット23球(26%)、スイーパー23球(26%)、カーブ14球(16%)、カッター13球(15%)、ストレート12球(13%)、シンカー4球(4%)だった。
MLB公式サイトは、「神経過敏な状態は火曜日にはすでに取り払われていた。メジャー2度目の先発で菅野はなぜ彼が日本プロ野球(NPB)で史上最も表彰を受けた投手の1人だったのかを披露した。多くの球種を披露して登板を終え、ロイヤルズの打者を惑わし続けた」と絶賛した記事の中で、捕手のサンチェスのコメントをこう紹介している。
「彼は日本でベテランだったが、ここ米国では35歳でもルーキーだ。その選手がメジャーリーグで初勝利をつかめば、チームはその喜びを享受する。だから今日はとても楽しい」
そう菅野の初勝利を祝福し投球内容をこう振り返った。
「すべての球種が自在に機能した。彼はストライクゾーンをしっかりと攻めていた」
また前出の「ボルチモア・ベースボール」は、「菅野は後ろで守る選手たちのプレーを容易にしていた」と、そのストライクを先行するスタイルが、チームの守りのテンポ、攻撃のリズムを生み出したという見解を伝えた。
同サイトによると、21歳のショートストップであるジャクソン・ホリデーは「彼はカウントを先行させることに優れていた。打者を誘い出していた。多くのストライクを奪った。私はスプリングトレーニングからそれに気が付いていた。彼はストライクを先行させて、相手を打ち取る術を見出す。守る側にとっても本当に楽しい」と、菅野の投球術と、それがチームにもたらす効果を証言している。
オリオールズは昨年91勝71敗でア・リーグ東地区2位だったが、ワイルドカードトップでポストシーズン進出を果たした。だがワイルドカードシリーズでロイヤルズに惜敗した。今季は先発陣が苦しみ、ここまで4勝5敗と好スタートを切れていない。地元の「ボルチモアサン」紙は、「土曜日のロイヤルズ戦で、少なくとも1日は、菅野がこうした批判(先発の不振)を黙らせ、オリオールズが先発ローテーションについて神経質にならないように落ち着かせた」と、菅野の好投がチームにもたらす意義を伝えている。