
阪神の巨人3連勝で見えた藤川監督の“勝負師采配”をどう評価すべきか…「元々連投に制限は持っていない」石井に3連投指令
藤川監督は「元々連投に制限は持っていない」と明かした。
広島との開幕3連戦では、連投した岩崎を3戦目にベンチから外した。岡田前監督時代には、大原則として3連投は行わなかった。そのスタイルを踏襲しているのかとも、受け止められていたが、実は、藤川監督にその縛りはないというのだ。
炎のストッパー時代には、10連投も経験。その後、球数や投手の管理に制限のあるメジャーリーグも経験している藤川監督だからこそ、選手それぞれの能力やコンディションなどを考慮して起用を判断しているのだろうか。
「日曜日でどうしても勝ちたいですから、勝てるとこを取り切れたのでみんなが報われましたね」とも付け加えた。
翌日にゲームのない日曜日は、多少無理して中継ぎをつぎこめる。リードしており、先発の門別に勝ちをつけてやらねばならないゲーム。さらに相手は昨季のリーグ覇者で伝統の一戦の相手の巨人である。
4日のカード初戦で、は3-1で迎えた7回二死満塁から木浪がレフトへ走者一掃のタイムリー二塁打を放った際には、ベンチで「ヨッシャー!」と雄叫びをあげて、2度、3度と走者がホームインする度にガッツポーズを作った。
44歳の指揮官が初めて感情をむき出しにしたシーンだった。対巨人への闘争心を隠さなかった。
現役時代にタイトル獲得経験のある評論家の一人は、「何が何でも勝ちにいくという藤川監督の勝負師の一面を見た采配だった」と評価した。
「長いシーズンを考えれば、この時期の勝ちパターン投手の3連投に問題がないわけではない。広島戦での石井の2イニング起用もそうだ。だが、藤川監督は、この試合を取り、優勝候補の巨人に3連勝することの重みを優先したのだろう。ストッパー経験のある藤川監督なりの算段もあるのかもしれない。優勝する指揮官には、そういう勝負師の一面が必要。こういう采配は、ひとつ間違えば危ないものだが、勝ったことで結束力も生まれる」
貴重な1点は、4回に押し出しで奪った。そこには3連戦を通じて阪神が仕掛けていた布石が生きた。