
魚雷バットの賛否?!ドジャースのマンシーが使用を止めた理由を「違和感があった」と激白…大谷翔平、ジャッジらも“使用しない派”だが…
魚雷バットは、先端が細く、最も太い部分が、まるで魚雷のように従来のバットよりも真ん中にあり、インパクトの瞬間にパワーが発揮しやすくなっている。メジャーリーグが定めているバット規格「最も太い部分の直径が2.61インチ(約6.6センチ)、長さ42インチ(約106.7センチ)以内」の範疇にあり規則に違反していない。
開発したのは、マサチューセッツ工科大学で物理学の博士号を取得しているアーロン・リーンハート氏。昨年まではヤンキースでアナリスト、今季からはマーリンズのフィールド・コーディネーターを務めている。ヤンキースのマイナーコーチ時代に考案して2022年からすでにテストしており、マンシーが指摘するようにオフからオープン戦にかけてヤンキースの一部の選手は、その魚雷バットで振り込んで、そのバットに合わせたスイングを作っていた。
ヤンキースでは、アンソニー・ボルピー、ジャズ・チザム・ジュニア、コディ・ベリンジャー、ポール・ゴールドシュミット、オースティン・ウェルズ、ジャンカルロ・スタントンらが使用している。
マンシーは、「ドジャースでは、毎年、バットを選手ごとに合わせている。魚雷バットの製造元であるマルチ(スポーツ)ともやり取りをしている。だから、我々の多くが、魚雷バットをこれまで耳にせず、試すこともできなかったことに驚いている」と、ヤンキースが魚雷バットを独占していた状況に不満をぶつけた上で、ドジャースのバットの選択事情をこう明かす。
「BPIと呼ばれる特別な数値を用いてどれだけハードなスイングをできるか測定する。そのデータを基に選手に適したモデルを見極める。選手たちは、40種類の異なるバットを5回から10回スイングして、彼らは、どのバットが一番ゾーンを通っているか、どのバットが一番強打を放っているか、どのバットが一貫してバレルで捉えているかを見極めている。我々は、ほぼ毎年それを行っていて、今のバットが私にとって、常にベストのものとなってきた。一番長くスイングをしてきたものが、そのバットだったから私のバットに対する答えがそれだった。どこに重心があるのかすべてがはっきりと分かっている」
マンシーの説明の裏を返せば、ドジャースではまだ魚雷バットのデータを測定しないだけで、今後、魚雷バットが適していると判断されるスイングの選手が出てくる可能性があるということだろう。使用を保留している大谷も含めて、今後、魚雷バットがどこまで日米の球界に波及するか注目だ。