
「オレは井上尚弥よりモンスターだ」5.4米ラスベガスで井上と“競演”する1m85の異色WBOフェザー級王者エスピノサが挑戦状…「オレには不可能を可能にする能力がある」
プロボクシングのスーパーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥(32、大橋)にWBO世界フェザー級王者のラファエル・エスピノサ(30、メキシコ)が挑戦状を叩きつけた。井上は5月4日に米ラスベガスのTーモバイルアリーナのメインイベントでWBA1位のラモン・カルデナス(29、米国)と防衛戦を行うが、セミファイナルに登場するのがエスピノサだ。複数のメキシコメディアに対して「井上との対戦が目標。オレは不可能を可能してきた。世界最高であることを証明してみせる」と豪語した。井上は来春のWBC世界バンタム級王者、中谷潤人(26、M.T)とのスーパーマッチまで予定が埋まっているが、エスピノサが王座を統一するなど勝ち続ければ、将来的に対戦の可能性のある難敵だ。
フェザーのベルトを統一して来年井上を迎え討つ
モンスターが再上陸する5.4のラスベガスで何かが起きるかもしれない。
アンダーカードで防衛戦を行う1階級上のWBO王者であるエスピノサが8日(日本時間9日)にメキシコシティで記者会見を開いた。今回の対戦相手は同級10位でIBF世界スーパーフェザー級王座への挑戦経験のあるエドワード・バスケス(米国)だが、エスピノサが望む本当のターゲットは、井上。
記者会見で「バスケスとの戦いが最優先事項だが、オレはパウンド・フォー・パウンドのファイターになるつもり。だから井上との戦いを望んでいる。それがオレの最大の目標だ」と口にしたのである。
エスピノサは、メキシコのボクシング専門のYouTubeメディア「EL CLINCH」、同専門メディア「IZQUIERDAZO」などのインタビューに答え、さらに詳しく井上戦への思いをこう語っている。
「不可能な戦いに勝つことで、自分自身を際立たせてきたオレにとっては、井上に勝つことが、オレが最高だと示す最も簡単な方法だ。オレにはそれを達成できる能力があると信じている。すでに準備もできている。井上と戦うための準備をし続けるつもりだ。そして(勝利を)世界中に見せて、メキシコ人は井上よりもモンスターだと言うつもりだ」
さらにこう続けた。
「井上は非常に完成度の高いボクサーだ。でも、オレは他の多くの人が持っていないものを持っている。それはメンタルであり、向上心であり、成功したいという願望だ。オレは、それを達成することに飢えている。オレにとって不可能がないことはすでに証明した、それを井上との戦いでもう一度やってみせる」
エスピノサが「不可能がないことを証明した」と振り返るのは、2度にわたる前王者、ロベイシ・ラミレス(キューバ)との戦いだ。
2023年12月にロンドン五輪、リオ五輪金メダリストのラミレスに挑んだ。前評判は、圧倒的に不利だったが、エスピノサは1m85という異例の長身を生かしたファイトでダウンも奪い、2-0で判定勝利するという大番狂わせを演じた。さらに2024年12月の再戦でも、予想は不利だったが、今度は6ランドでギブアップさせるTKO勝利でタイトルを守った。
26勝(22KO)無敗。もし井上が対戦するとすれば、エスピノサの規格外の長身は厄介だろう。最大の難敵となる可能性はある。
しかも、エスピノサは、井上の共同プロモーターであるトップランクの契約選手。セコンドには帝拳の田中繊大トレーナーが付くなど、大橋ジムと協力関係にある帝拳グループとも関係が深く、タイトルを守り続ければ、井上との対戦の可能性は高いのだ。